クラウド向け暗号化製品紹介:CipherCloud編
Salesforceの添付ファイルを暗号化してAWSに保管できる「CipherCloud」
複数のクラウドサービスのデータ暗号化機能を持つ「CipherCloud」。Salesforce CRMやChatterの添付ファイルを暗号化してAmazon S3へ保管することも可能だ。製品の特徴を紹介する。
SaaSに預けるデータを暗号化したり、複数のクラウドサービスにまたがって暗号化データをやりとりしたい。こうしたニーズに応えるクラウド向け暗号化製品が、サンブリッジが提供する「CipherCloud」(開発:米CipherCloud)だ。IaaSのみを対象としていたり、単一ベンダーのSaaSのみを対象とするクラウド向け暗号化製品が多い中、CipherCloudは複数ベンダーのIaaS、PaaS、SaaSで利用できるのがウリだ。
何ができる製品か:クラウドへ送る前にデータを暗号化
CipherCloudは、クラウドサービスに預けるデータを暗号化/復号する製品群だ。Salesforce.com(SFDC)のSaaS「Salesforce CRM」「Chatter」、PaaS「Force.com」など向けの「CipherCloud for Salesforce」、Amazon Web Services(AWS)のIaaS「Amazon Elastic Block Store(Amazon EBS)」「Amazon S3」など向けの「CipherCloud for Amazon Web Services」を用意する。
日本語版では現時点で未提供だが、海外版ではMicrosoftの「Office 365」やGoogleの「Gmail」向けの製品も提供。さらに、任意のクラウドサービスで利用可能な「CipherCloud Any Apps」も用意しているという。同社は、クラウドベンダーとの技術提携を進めており、「各ベンダーの新機能や新サービスの先行利用権を得る」(CipherCloudのストラテジー、グローバルアライアンス、カスタマーサクセス担当上級副社長であるデブ・ゴーシャル氏)などして、クラウドサービスの変化を可能な限り早期にCipherCloudに反映する体制を敷いているという。
CipherCloudの要となるのが、企業のLANに設置する専用ゲートウェイ(CipherCloud Gateway)である(図)。CipherCloud Gatewayは、暗号鍵を保管する鍵管理機能を搭載。CipherCloud Gatewayは、端末からクラウドサービスへ転送するデータを暗号化し、クラウドサービスへ暗号化されたデータを送信する。
悪意のある第三者がCipherCloudを介さずにクラウドサービスにアクセスしても、暗号鍵がないのでデータを復号、判読できない(画面)。暗号鍵はクラウドサービス事業者に渡さないため、仮にクラウドサービスを解約した場合でも、クラウドサービスに預けたデータを復号される危険性を最小限に抑えることができる。
標準機能やオプションで暗号化機能を用意するクラウドサービスも存在する。ただし、こうしたクラウドサービス事業者が提供する暗号化機能の場合、「多くはクラウドサービス事業者が暗号鍵を持つため、ユーザー企業がデータの安全性を完全にコントロールできない可能性がある」(ゴーシャル氏)。統一したポリシーに基づいて複数のクラウドサービスの暗号化を施すのにも、CipherCloudのようなサードパーティー製品の方が適する。
製品の特徴:Salesforceの添付ファイルを暗号化してAWSへ転送
CipherCloudが真価を発揮するのは、複数クラウドサービス間の暗号化データのやりとりだ。具体的には、Salesforce CRMやChatterといったSFDCのクラウドサービスの添付ファイルを、暗号化したままでAmazon S3へ自動転送して保管できる。暗号化によるセキュリティの向上に加え、SFDCのクラウドサービスで添付できる容量制限を超えたファイルも保管できる。エンドユーザーが処理に気付くことはなく、操作への影響はないという。この機能の利用に当たっては、CipherCloud for SalesforceとCipherCloud for Amazon Web Services双方のライセンスが必要となる。
クラウドの機能を犠牲にせずに暗号化
「クラウドサービスの標準機能を損なわずにデータを保護できる」(ゴーシャル氏)のも、CipherCloudの特徴だ。複数の暗号方式を用意しており、暗号方式によっては暗号化したままデータの検索やソートといった操作ができる。検索やソートができることよりも暗号強度を優先する場合は、一般的に強度が高い暗号方式とされるAES 256ビットの暗号化を選択可能だ。暗号方式は細かい設定が可能で、例えばSFDCのクラウドサービスの場合、住所や氏名といったデータ項目(フィールド)単位で設定できる。
今後の方向性:基本機能の充実を進める
CipherCloudは現状でも、クラウドサービスへ機密データを送信するのを防ぐData Loss Prevention(DLP)機能、マルウェアを検知してブロックするマルウェア対策機能など、暗号化以外の機能をそろえる。今後も、こうした基本機能を強化、追加していく方針だ。
導入事例や価格:国内でも利用例が
CipherCloudは、14カ国200万ユーザーで利用されており、主に金融業やヘルスケア業、政府機関といった業界で多く導入されているという。国内でも、三菱UFJグローバルカストディ・ジャパンなど、幾つかの企業が既に導入済みである。
料金体系は、暗号化対象のクラウドサービスによって異なる。例えばSalesforce CRMをはじめとするSFDCのクラウドサービスの場合、「クラウドサービスのライセンス料金の20%程度」がライセンス料金となる。
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クラウド向け暗号化製品紹介
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