ウェアラブルとビッグデータで医療を変えるマイケル・J・フォックス財団とIntelパーキンソン病の治療に向けて

パーキンソン病患者でもあるマイケル・J・フォックスが立ち上げた財団とIntelが、パーキンソン病の共同研究を行っている。ウェアラブルデバイスとビッグデータ解析が、研究者に貴重なデータを提供している。

2014年10月10日 08時00分 公開
[Archana Venkatraman,Computer Weekly]
Computer Weekly

 俳優のマイケル・J・フォックス氏が立ち上げたパーキンソン病患者を支援する慈善活動が、ウェアラブルテクノロジー、ビッグデータ解析、パブリッククラウドコンピューティングを利用した研究プロジェクトを通じて、パーキンソン病の治療法を変えようとしている。

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 パーキンソン病は神経変性の脳疾患で、患者数は全世界で約500万人にも上る。60代での発症例が多い病気だが、若年層でも発症の恐れがある。この病気に関連する運動症状や非運動症状は多岐にわたる。

 マイケル・J・フォックス パーキンソン病リサーチ財団(以下、MJFF)のCEO、トッド・シェラー氏は、「パーキンソン病が最初に報告されてから200年近くたとうとしているが、いまだ原因は特定されておらず、病状の測定にも限界がある」と話す。「主な課題は、発症する患者の多様さと、症状や病状の進行が多岐にわたることだ。パーキンソン病は、症状が頻繁に変化し、自覚症状が伴うものも、発作的な症状もある」

 MJFFは米Intelと共同で研究を行っている。Intelは、米Amazon Web Services(AWS)のクラウド上にオープンソースのビッグデータ解析プラットフォームを構築し、ウェアラブルデバイスから収集した患者データを解析している。

 この慈善活動の願いは、数千人の患者から集めたパーキンソン病による動作緩慢、震え、睡眠の質に関するデータが、医師による病状進行の測定に役立てられ、治療薬開発が飛躍的に進むことだ。

 「データサイエンスとウェアラブルコンピューティングは、患者が実際に体験する状況を入手し、客観的に測定できるようになる可能性を秘めている。これは、医薬品開発、診断方法、治療法に影響を与える」とシェラー氏は話す。

スマートウオッチによるデータ収集

 この研究では、スマートウオッチを使用して常時リアルタイムにデータの収集と送信を行う。研究者は各瞬間のデータポイントを調べ、数千人の患者の測定値を1秒間に数百個の速度で解析できるため、パターンの特定に必要な臨界質量のデータを調査することが可能だ。

 Intelのデータセンターグループでシニアバイスプレジデント兼ジェネラルマネジャーを務めるダイアン・ブライアント氏は、「パーキンソン病はその症状の多様さから、病状進行のモニタリングには他の病気にはない課題がある」と話す。「最新テクノロジーを利用することで、パーキンソン病の測定に関する新たなモデルを築くことができる」

 2014年初頭、MJFFとIntelは研究の第1段階に入った。この段階では、

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