導入に前向きな銀行が、それでもためらうブロックチェーンの問題ニッチ市場の暗号通貨(後編)

ブロックチェーンや暗号通貨のサービス開発に積極的なストッコ氏が、それでも「2020年になってもブロックチェーンは主流にはならないだろう」と語る理由とは何か。

2017年09月26日 08時00分 公開
[Angelica MariComputer Weekly]

 前編(Computer Weekly日本語版 9月6日号掲載)では、ビットコインをはじめとする暗号通貨は依然としてニッチであり続ける理由を紹介した。後編では、ブロックチェーンの問題や今後の展望について紹介する。

ブロックチェーン革命の進展

 金融サービスでは、ブロックチェーン革命が既に始まっている。より高速で経済的な金融サービスの構築が可能となり、送金ネットワーク「SWIFT」のような、時代遅れのシステムの代わりになると金融業界は気付いている。

 その証拠がR3コンソーシアムだ。同団体は、世界各地の70を超える機関で構成され、部門全体にまたがるブロックチェーンの研究と開発を目的とする。

 ブロックチェーン利用の可能性として、テクノロジートランスファー企業Crossword Cybersecurityは最近、ウォーリック大学と共同で、ブロックチェーン取引の特に「スマートコントラクト」の側面に注目した研究を行った。スマートコントラクトとは、契約の交渉や履行の補助、確認、実施を行うコンピュータプロトコルを指す。

 この研究により、興味深い可能性が幾つか明らかになっている。例えば、特定の暗号通貨を定義済みの目的にしか使えないようにする機能を備えた難民キャンプ型シナリオなどの「経済の縮小灯」という考え方。モノのインターネット(IoT)環境でのマイクロサービスへの交渉と支払い。そしてデジタル資産の所有権保護と譲渡のための幅広いメカニズムまで、多岐にわたる用途が特定された。

 全てが前途有望に見えるが、ブロックチェーンをさまざまな角度から見ると、良いことばかりというわけではない。導入に当たって複数の障害があり、セクター機関におけるテクノロジーの進化を妨げている。




続きを読むには、[続きを読む]ボタンを押して
会員登録あるいはログインしてください。






Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news191.jpg

GoogleやMicrosoftが警鐘 中国発ネット工作の危険性(無料eBook)
GoogleやMicrosoftの報告が示すのは、中国発のAIを活用したネット工作が世界的な問題とな...

news032.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年1月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news087.jpg

Netflix、さらなる成長戦略は「アドテク自社開発」 広告主のメリットは?
Netflixは2024年第4四半期に1890万人の加入者を増加させ、広告収入を前年同期比で倍増さ...