無料で高機能のリバースエンジニアリングツール「Ghidra」とは? NSAが公開「バックドアは仕込んでいない」と強調

米国家安全保障局(NSA)が、リバースエンジニアリングツール「Ghidra」を無償公開した。ハイエンドの商用製品並みの機能を搭載する。

2019年03月22日 05時00分 公開
[Antone GonsalvesTechTarget]
画像 NSAはGhidraをOSSとして無償公開した(画面はGhidraの紹介ページ)《クリックで拡大》

 米国家安全保障局(NSA)がマルウェア対策用のリバースエンジニアリングツール「Ghidra」のオープンソースソフトウェア(OSS)版を公開した。セキュリティプロフェッショナルはGhidraを使うと、高額なハイエンドの商用製品でしか使えなかった機能を利用できる。

 サンフランシスコで2019年3月上旬に開かれたセキュリティイベント「RSA Conference」で、NSAはGhidraを発表した。期待の高かった今回の発表には、引き続きITセキュリティ業界とのより良い関係構築を望む、NSA側の意図が込められている。

 自称「オープンソースジャンキー」ことデービッド・マットソン氏によると、Ghidraは「私が使っているツールよりもはるかに先を行っている。エアガンの戦いに戦車を持ち込むようなもの」と形容する。マットソン氏は保険会社Centeneに勤務するセキュリティプロフェッショナルだ。

 NSAで上級アドバイザーを務めるロバート・ジョイス氏は満場の聴衆を前に、Ghidraが標準搭載する機能について説明した。NSAは実行可能ファイルをコードへと解体する目的で同ツールを使っている。このリバースエンジニアリングのプロセスは、マルウェアやその作者について詳しく知る上で役に立つ。

Ghidraの公開は「NSAのためになる」

 Ghidraは、2000年初めにNSAが開発したJavaベースのリバースエンジニアリングツールで、Windows、Mac OS、Linux、iOS、Android向けのソフトウェアを解析できる。エンドユーザーはWindowsやMac OS、LinuxでGhidraを使用できる。

ITmedia マーケティング新着記事

news054.jpg

「Threads」が月間アクティブユーザー1億5000万人を突破 今後Xを追い抜くための最善策は?
Metaはイーロン・マスク氏率いるTwitter(当時)の対抗馬として2023年7月にリリースした...

news060.jpg

Z世代が考える「日本が最も力を入れて取り組むべき課題」1位は「ジェンダー平等」――SHIBUYA109 lab.調査
SDGsで挙げられている17の目標のうち、Z世代が考える「日本が最も力を入れて取り組むべき...

news061.png

高齢男性はレジ待ちが苦手、女性は待たないためにアプリを活用――アイリッジ調査
実店舗を持つ企業が「アプリでどのようなユーザー体験を提供すべきか」を考えるヒントが...