「リフト&シフト」は、アプリケーションを元のインフラから別のインフラに移行させる際に、アプリケーションを再設計せずにそのまま複製する手法を指す。リフト&シフトをするか、インフラの移行を機にアプリケーションを一から再構築するかの選択は、アプリケーションの用途や構造の複雑さに大きく左右される。(続きはページの末尾にあります)
ITをモダナイズしイノベーションにつなげるべく、クラウドへのリフト&シフトを検討する企業は多いものの、実際は何も変わらない、あるいはトラブルに見舞われる事例がほとんどだという。この原因となる、設計/開発手法の落とし穴とは?
クラウドサービスへの引っ越し方法として人気の「リフト&シフト」。しかし、リフト&シフトは全ての企業に適切な方式ではない。どのような企業が、どのような場合に採用するべきかを解説する。
既存のアプリケーションやOSをそのままクラウドサービスに移す「リフト&シフト」方式は、クラウドサービスへの引っ越しを検討する企業にとって有力な選択肢だ。その長所と短所を解説する。
オンプレミスシステムをそのままクラウドサービスに移す「リフト&シフト」は簡単なように見えて、実は意外なリスクがあると専門家は語る。それは何なのか。リスクを回避する方法は。
オンプレミスのシステムをそのままクラウドサービスに移す「リフト&シフト」は、想定外の課題を生むことがある。それは何なのか。リフト&シフトを選択した企業が考慮すべき注意点を説明する。
脱クラウドの理由として、オンプレミスのアプリケーションをそのままクラウドサービスに移行させる「リフト&シフト」にまつわる問題がある。それは何なのか。
リフト&シフト方式でのクラウド移行が当初の人気を下げつつある。コスト効率やアプリケーションの動作性など、企業が安易にリフト&シフトでクラウド移行した結果、思わぬリスクを抱える可能性もある。
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リフト&シフトはクラウドサービスにオンプレミスアプリケーションを移行させる際に、コストと時間のかからない方法として選ばれる傾向にある。ただしレガシーアプリケーションをリフト&シフトすると、インフラの自動スケーリングといったクラウドサービスのメリットを十分に活用できなくなる可能性がある。
アプリケーションのソースコードを移行先のインフラに合わせて全面的に書き換える「リファクタリング」と比べると、リフト&シフトにはデメリットがある。レガシーアプリケーションやオンプレミスインフラで稼働するアプリケーションをリフト&シフトでクラウドサービスに移行させると、移行先で適切に機能しない恐れがある。
要件や運用方法を十分に明文化しないまま開始するリフト&シフトは、失敗する可能性が高い。リフト&シフトに失敗したアプリケーションは、不要なデータ通信を発生させ、データ通信の遅延やインフラコストの増大を招くことがある。こうした問題を回避するために、いったんリフト&シフトしたアプリケーションを、クラウドネイティブの(クラウドサービスに適した)アプリケーションとしてリファクタリングし直す必要が生じる場合がある。
データベースへのアクセスが頻繁に発生するアプリケーションは、リフト&シフトで移行するとクラウドサービスの利用料金が想定外に高騰する可能性がある。リフト&シフトしたアプリケーションが、そのままではクラウドサービスのID・アクセス管理システムを利用できないなど、セキュリティの脆弱(ぜいじゃく)性が生じる場合は、リフト&シフトよりもリファクタリングの方が適している。