RSAセキュリティはオンライン不正対策センターが調査したオンライン犯罪の統計結果を発表。気になる傾向としてTwitterなどを悪用した手口について注意を呼びかけた。
RSAセキュリティは6月24日、RSA Anti-Fraud Command Center(AFCC:オンライン不正対策センター)が調査したフィッシングとトロイの木馬によるオンライン犯罪の統計結果を発表した。
AFCCの統計(全世界を対象)によると、2010年5月のフィッシング総攻撃回数は、前月(1万8080回)比9%減の1万6541回。標的となった企業数は前月(222件)とほぼ変わらない223件だった。
国別のフィッシング攻撃被害状況では、フィッシング攻撃を受けた回数の多い国順に英国(35.5%)、米国(34%)、南アフリカ(14.5%)と続き、順位に変化はないものの、3位の南アフリカが前月(7%)からやや割合が増加した。ホスティング国分布では、英国が7カ月連続で首位(58%)となり、次いで欧州(7%)が前月2位の韓国(7%)を抜いて2位となった。
同社マーケティング統括本部 シニアマーケティングマネジャー 水村明博氏は会見の中で、5月に見られた気になる傾向として「一般向けの無料Webサービスがトロイの木馬の運用者に悪用されている」と報告した。同社が最近発見した手口では、南米のバンキングサイトを標的としたトロイの木馬、中でも「Brazilian Banker」と呼ばれるシリーズのマルウェアを運用するために、TwitterやGoogle Groups、Windows Liveなどの無料Webサービスが利用されていたという。
具体的にどのような手口かというと、例えばGoogle Groupsを悪用した手口であれば、まずトロイの木馬をDDLファイルとしてスパムメールの添付経由などで配布し、ユーザーPCに感染させる。感染したトロイの木馬が犯罪者のGmailアカウントに勝手にログインし、犯罪者が開設したニュースグループに記載されている指令を実行。機密情報の収集などの悪事を働く(攻撃を仕掛ける)というものだ。
攻撃の結果(成功/失敗)は、トロイの木馬がニュースグループに投稿することで犯罪者に通知される。この手口で犯罪者が得られるメリットとしては、マルウェアを配布するための専用ドメインなどを維持する必要がなく、アカウントが閉鎖しても直ちに新しいアカウントをセットアップすればよいという、従来よりも低コストで悪事を働ける点にある。
水村氏は「日本ではまだこうした手口は発見されていないが、今後同様の手口が出てくる可能性もある」と注意を呼びかけた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
クラウドやIoTなど、デジタルテクノロジーの急速な進化に伴い、企業の機密データに対するリスクも飛躍的に高まることになった。サイバーセキュリティを取り巻く環境が複雑化する中、有効な対応策として注目されているのがXDRだ。
最新のサイバー攻撃に即座に対応するためには、SOCを従来の在り方から変革することが重要になる。しかし、何をすればよいのか分からないという組織も多い。そこで本資料では、現在のSOCが抱えている5つの課題とその解決策を紹介する。
サイバー攻撃が巧妙化し、セキュリティチームとSOCは常に厳戒態勢を取り続けている。さらにデジタルフットプリントの拡大に伴い、セキュリティデータが絶え間なく往来する事態が生じている。このような状況に対応するには、SOARが有効だ。
リモートワークの増加に伴い、組織は、SD-WANやZTNAなどを導入したが、現在はこれらのレガシー技術が、コストやセキュリティの面で新たな課題をもたらしている。これらの課題を解決するための手法として注目したいのが、SASEだ。
「支社や拠点の増加」「従業員とデバイスの分散」「IoTデバイスの爆発的な普及」などの要因により、サイバー犯罪者にとってのアタックサーフェスが著しく拡大した。こうした中で、企業が自社の環境を効果的に保護する方法を解説する。
いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。
「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。
「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。
「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...