OpenStackの大容量ストレージサービス、Swiftの仕組みOSSクラウド基盤 OpenStackの全て【第6回】

OpenStackのオブジェクトストレージサービス「Swift」の特徴、アーキテクチャ、利用するためのツールを紹介。Swiftは専用アプリケーションを用いて、大容量データを高速に取り扱うのに最適化されたサービスである。

2011年08月05日 09時00分 公開
[伊藤雅典,NTTデータ]

 今回から2回にわたり、OpenStack ObjectStorage(Swift)の全体像と具体的な利用手順を紹介する。今回はSwiftの特徴、アーキテクチャ、利用するためのツールなどの全体的な紹介を行い、次回は具体的な利用手順について解説する。

OpenStack ObjectStorage(Swift)とは

 Swiftを一言で説明すると、Amazon Simple Storage Service(Amazon S3)のようなオブジェクトストレージサービスを実現するオープンソースソフトウェア(OSS)だといえる。一般にオブジェクトストレージとは、通常のPC上のファイルなどとは違い、任意のアプリケーションで自由に読み書きすることはできないが、専用アプリケーションを用いて大容量データ(オブジェクト)を高速にアップロード/ダウンロードするのに最適化されたストレージサービスである。さまざまな用途が考えられるが、典型的なところではバックアップデータなど大容量データの格納に適している。

 Swiftは、ユーザーがオブジェクトストレージとして利用できる以外に、内部的にもNovaの仮想マシン(VM)イメージを管理するOpenStack ImageService(Glance)のバックエンドストレージとしても利用できる(参考:注目のOpenStackプロジェクトの全体像 〜コミュニティーと主要コンポーネント)。

Swiftの歴史

 本連載の第2回「注目のOpenStackプロジェクトの全体像 〜コミュニティーと主要コンポーネント」でも触れた通り、SwiftはもともとRackSpaceのCloudFilesと呼ばれる商用オブジェクトストレージサービスで使用されていたコードを基に、オープンソース化したものである。2010年7月の発表当初から、OpenStack Compute(Nova)と並んでOpenStackプロジェクトを支える主要コンポーネントの1つである。

Swiftの特徴

利用インタフェース

 利用手順の詳細は次回で紹介するが、Swiftをストレージサービスとして利用する方法は何種類か存在する。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news163.png

10分でできるデジタル広告最適化 2500億通りのパターンを分析
ノバセルは、デジタルマーケティング領域の新ツール「ノバセル アナリティクス for デジ...

news159.jpg

「怒り・恐怖」でクリックを生まない“ポジティブなSNS”は本当に作れるか BuzzFeedが挑戦
BuzzFeedが脱「SNARF」のポジティブなSNSを立ち上げる。狙いは何か。

news133.png

「逆Z世代」の実態 Z世代のタイパ意識は意外と高くない?
自分はZ世代ではないと考える「逆Z世代」が増加している。大広とD’Zlab.が共同で実施し...