OpenStackプロジェクトの最新動向、OpenStackを構成するOpenStack Computeのうち、Novaの具体的な利用方法について解説する。
「注目のOpenStackプロジェクトの全体像」「注目のOpenStackプロジェクトの全体像 ~コミュニティーと主要コンポーネント」では2回にわたってOpenStackプロジェクトの概要を説明した。今回は、OpenStackプロジェクトの最新動向や、OpenStackを構成するOpenStack Compute(Nova)の具体的な利用方法について解説する。
OpenStackで2番目のリリースとなる第2版(Bexar)が2011年2月3日にリリースされた。第1版(Austin)のリリースから3カ月後となる。第2版(Bexar)の目玉の1つであったLive Migration機能は第3版(Cactus)リリースに延期されたものの、「注目のOpenStackプロジェクトの全体像 ~コミュニティーと主要コンポーネント」で触れたさまざまな機能が追加された。
本稿執筆時点(2011年3月31日)で、既に仕様書(blueprint)による機能提案は、機能ごとのソースコードの追加提案も締め切られ、QA(品質保証)フェーズに入り、リリース前の修正作業が活発に進められている。
第3版(Cactus)リリース向けに提案されている機能のうち、主要なものは以下の通りである(参考:「Blueprints for cactus」)。
・Nova
-Live Migrationサポート
-IPv6サポートの強化
-XenServer関連の機能強化
・Glance
-ログ機能
-イメージのフォーマットに関するメタデータの追加
・Swift
-マルチリージョンサポート
第3版(Cactus)リリースについては、OpenStackプロジェクトリーダーのRick Clark氏がメーリングリストで述べているように、第2版(Bexar)ほどの機能追加は行わず、商用利用に向けて安定性や信頼性の向上が図られることになっている。
ここで、コミュニティーの最新動向を基に、前回までの記事で紹介した内容からの訂正分をまとめておく。
(1)今後のリリース予定
前回の記事「注目のOpenStackプロジェクトの全体像 ~コミュニティーと主要コンポーネント」で、第3版までは3カ月おきにリリースされるが、第4版以降は6カ月ごとに変更されると紹介した。しかし、この予定が変更になり、当面の間3ヵカ月おきのリリースが継続されることになった。
(2)リリースコードネーム
同じく前回の記事で、リリースコードネームはテキサス州の地名から採られると紹介した。実は、コミュニティーの内部でも混乱があり、基本的にDesign Summitの開催地に関連の地名から採られることが分かった。次回のDesign Summitはカリフォルニア州サンタクララで開催されるため、第4版(D Release)のコードネームはオンライン投票によりDiabloと決まった。第5版(E Release)のコードネームはサンタクララでのDesign Summitで決定される見込みである。
前述の通り、第3版(Cactus)のコードもfix(完成)に近づいてきているが、本稿では2011年2月3日に公開された第2版(Bexar)の使い方を解説する。
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