NANDフラッシュメモリは、企業向けソリッドステートストレージとして2010年代末まで広く利用される可能性があるが、その後継となる可能性を秘めた技術が注目を集め始めている。相変化メモリ(PCM)や磁気メモリ(MRAM)、抵抗変化型メモリ(RRAM)などだ。
過去2年間にこれらの新技術にブレークスルーが起き、性能と耐久性の両面で今後の飛躍が期待される(関連記事:なぜ企業向けストレージシステムでフラッシュドライブが注目されるのか)。
例えば、米IBM Researchは2011年夏、「加熱型PCMを利用すれば、NAND型フラッシュメモリよりも100倍高速にデータを読み出し、1000万回以上の書き込みに耐えるシステムを実現できる可能性がある」と発表して注目を集めた。1000万回というのは、エンタープライズマルチレベルセル(eMLC)フラッシュメモリの書き込み回数3万回と比べると飛躍的な数字だ。
スイスにあるIBMチューリッヒ研究所では、「セルの安定性を確認するために6カ月間にわたってPCMの素材の抵抗を測定した結果、個々のセルに複数のビットを安定して保存できることが確認された」としている。IBMチューリッヒ研究所でメモリとプローブ技術を担当するマネジャーのハリス・ポジディス氏によると、マルチレベルセル(MLC)型PCMは2016年までに企業向けサーバおよびストレージで採用される見込みだという。この技術は「ビッグデータ」の分析やクラウドコンピューティングなどの用途に恩恵をもたらす可能性があるとしている。
ただ、この予測通りになるとは限らないようだ。ポジディス氏によると、企業市場での普及動向は、携帯電話メーカーとメモリメーカー各社が2年内にMLC-PCMをNOR型フラッシュメモリの代替技術として採用するかどうかに懸かっているという。
IBMはメモリ素子やソリッドステートライブ(SSD)を生産していないため、MLC-PCMのライセンスと生産に当たっては、同社は外部のメーカーに依存することになる。ポジディス氏によると、IBMではその方向を目指しているということだが、まだ確定したわけではないとしている(関連記事:エンタープライズSSD、出荷増大も普及は進まず)。
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