スマートフォンなどのモバイル端末の紛失と盗難は、企業を脅かす最大のモバイルセキュリティ問題だとセキュリティ動向に詳しい専門家は言う。しかしマルウェアをめぐる誇大な騒ぎのせいで、ユーザーはそうは思っていないようだ。
米Symantecの首席セキュリティ対策マネジャーであるビクラム・タクール氏は、飲食店やバーに置き忘れた従業員のスマートフォンが悪い相手に渡るリスクは、従業員が端末にマルウェアをダウンロードするリスクよりもはるかに大きいと指摘した。
同氏によると、モバイル端末に対する攻撃は増えてはいるものの、スマートフォンを狙ったサイバー犯罪の手口はどれも、これまでのところWindowsを狙った攻撃ほどの実入りを得るには至っていない。モバイル端末を狙う攻撃は今後も増え続けるかもしれないが、サイバー犯罪集団が大挙してデスクトップPCからモバイル端末に攻撃対象を乗り換えるのはまだ何年も先になる見通しだ。だが近距離無線通信技術である「Near-Field Communications(NFC)」などの新しい技術によって、どんなスマートフォンでも仮想クレジットカードとして利用できるようになることから、攻撃者がモバイルプラットフォームに注目する可能性はある。
「デスクトップPCを狙ったマルウェアの開発者が意のままにできる領域はまだ大量にある。あと数年は、デスクトップPCが最も実入りのいい標的であり続けるだろう」(タクール氏)
ただし、スマートフォンからの企業情報流出にまつわる将来的なリスクを無視すべきではないと、セキュリティ専門家はくぎを刺す。
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