PaaSベンダーはタイプによって2種類に分類できる。既存の大手ベンダーのグループと、小規模な独立系PaaSベンダーのグループだ。また、PaaSはパブリック、プライベート、オープンの3種類に分類できる。
PaaS(Platform as a Service)には全く制約がないと言う人もいるが、PaaSベンダーの選択を誤れば、すぐさま数々の制約に直面することになる。
クラウド市場の状況と同様、PaaS市場も活気づき始めており、PaaSをめぐる話題が大いに盛り上がっている。PaaSベンダーは何十社も存在するが、その半数は無名のベンダーだ。
米Gartnerによると、PaaS市場の規模は2012年に10億ドル近くに達し、2015年までに17億5000億ドルに成長する見込みだ。わずか3年間で75%という成長率だ。では、PaaSでは実際に何が提供され、何が単なる宣伝文句なのか。それを見極めるにはどうすればいいのだろうか。
PaaS市場はベンダーのタイプによって2つに分類できる。すなわち、米Hewlett-Packard(HP)、米IBM、米Oracleなどの既存の大手ベンダーのグループ、もう1つは小規模な独立系PaaSベンダーのグループだ。
2年以上の事業実績がある小規模PaaSベンダーであれば、既存のITベンダーよりもPaaSの専門知識が豊富で、より良いサービスを提供する意欲も強いかもしれない。こういったニッチベンダーは、クラウド分野で培った経験とPaaSに関する専門知識をクラウドへの関心の高まりに結び付けることによって、これまでクラウドに注力してこなかった大手ITベンダーよりも優位に立てると考えているようだ。
伝統的なITベンダー各社は現在、PaaSを提供しているが、そのうちの数社は広範な種類の従来型IT製品(すなわちハードウェアおよびソフトウェア)も維持している。これらのベンダーの多くは、小規模な専業企業を買収するという手段によってPaaS市場に参入している。しかし言い換えれば、これらのベンダーはPaaS市場に片足を突っ込みながら、もう一方の足をコアビジネスに置いているということだ。しかも、新たに買収した技術に従来型のハードウェア、ソフトウェア、アプリケーションを適合させる取り組みを、既存事業に影響を与えずに進めるのは容易ではない。しかしPaaS市場では、企業規模がある程度の優位につながることも確かだ。
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