企業はビッグデータをどれだけ活用できているのか。データ分析のインフラを構築する上で、企業が抱えている課題とは何か。TechTargetジャパンの読者に聞いた。
TechTargetジャパンは2012年11月26日から12月18日にかけて、TechTargetジャパン会員を対象に、ストレージやデータウェアハウス(DWH)といったビッグデータ活用を支えるインフラ(ビッグデータインフラ)に関するアンケート調査を実施した。本稿は、アンケート調査から明らかになったビッグデータ活用やインフラ構築に関する実態の一部を抜粋して紹介する。全ての結果を記載したリポートは、文末のリンクから会員限定でダウンロードできる。
目的:TechTargetジャパン会員の企業における、ビッグデータ関連のハードウェア、ミドルウェアの導入状況について調査するため
方法:Webによるアンケート
調査対象:TechTargetジャパン会員
調査期間:2012年11月26日〜12月18日
総回答数:176件
※回答の比率(%)は小数点第1位を四捨五入し表示しているため、比率の合計が100%にならない場合があります。
企業は、どういったデータを業務活動に生かしているのだろうか。活用しているデータの種類について聞いたところ、「基幹システムのログデータ」が48.9%でトップとなった(図1)。その他、「顧客や見込み客の個人情報データ」(46.6%)、「コールセンターのログデータ」(17.6%)といったマーケティングに生かせるデータの活用意欲も高いことが分かる。
一方、「Twitter、Facebookなどのソーシャルメディアのデータ」については7.4%、センサー情報を業務に生かすM2M(Machine to Machine)での活用が見込まれる「RFIDなどのセンサーデータ」は5.1%と、現時点では活用する企業は少数である。基幹システムのデータなど、手元にあるデータをいかに生かすかに注力する企業が多いのが現状だ。
今後の活用を検討しているデータについては、1位と2位は逆転したものの、「顧客や見込み客の個人情報データ」(39.8%)、「基幹システムのログデータ」(34.7%)が引き続き多くの関心を集めている(図2)。一方、「Twitter、Facebookなどのソーシャルメディアのデータ」は、19.3%と比較的多数が今後の活用を検討していると回答。テキストマイニング製品を中心にソーシャルメディア解析を支援する製品が充実しつつあり、今後は活用が広がる可能性がある。
データの活用に不可欠なデータ分析インフラ。企業はデータ分析インフラの構築を進める上で、どういった課題を感じているのだろうか。
調査結果からは、「大量データを扱うことができる技術者がいない」(40.9%)と、人材不足を嘆く声が多いことが分かる(図3)。企業におけるデータ分析人材のニーズは高いものの、一朝一夕に育成や獲得ができるわけではない(参考:ビッグデータ活用の成功を左右するのは「人」──米調査会社)。
また、「データ/システム連係ができていない」(39.2%)、「リアルタイムにデータを扱えない」(31.3%)といった声も多く、システムやデータ整備の遅れも大きな課題となっていることが分かる。
人材不足やシステム整備の遅れは、ビッグデータ活用の状況にも影響を及ぼす(図4)。「データを分析し、分析結果から新たな価値を生みだしている」と回答したのは2.3%にとどまる。多くの企業は、「データはあるが、まだ分析のための整備や蓄積ができていない」(42.0%)のが現状だ。また、「活用するようなビッグデータが存在しない」との回答も37.5%と比較的多い。
この他、導入済みや今後導入を検討するデータ分析インフラ関連の製品/サービス、データ分析インフラの導入形態に関する調査も実施した。詳細な調査結果は、以下からダウンロードできる(TechTargetジャパン会員限定)。本稿では紹介しきれなかったアンケート結果を紹介している。ぜひ参照されたい。
TechTargetジャパン会員を対象にした「ビッグデータインフラに関するアンケート調査」を実施。本リポートでは、ビッグデータ活用の実態や課題、データ活用関連製品の導入状況などをまとめている。
調査結果リポートのダウンロードページへ (TechTargetジャパン) |
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