【事例】クラウドと内製の合わせ技で挑む、「一休」を支えるインフラIDCフロンティア「マネージドクラウド」導入事例

高級ホテル予約サイト「一休.com」を展開する一休は、2012年末から一部サービスで「IDCフロンティア クラウドサービス」を採用している。サービスを選ぶ上ではコスト以上にカスタマイズ性とインフラの先進性を重視した。

2013年04月11日 08時00分 公開
[石田 己津人]

 高級ホテル、レストランが割安に予約できるWebサイト「一休.com」で知られる一休。空室、空席を防ぎたい施設側と少しでも低料金で利用したいユーザーのニーズをマッチングして急成長してきた。2012年末で会員は300万人弱に上り、一休.comの取扱室数は2012年4月〜12月で前年比9.1%増の123万室(取扱高約289億円)に達した。

一休 システム基盤・インフラ部システムエンジニア
仙波 勲氏

 急成長を裏で支える同社のITは、オープンソースソフトウェアを活用し、廉価サーバを多数並べて可用性や性能を担保するという「Web系企業」のイメージとはかけはなれる。

 システム基盤・インフラ部システムエンジニアの仙波 勲氏は「当社のほとんどのWebサイトは、ほぼフルに内製で開発・運用し、その時々の最先端ハードを使い、数名の運用担当でも高いサービスレベルを維持できるようにしている」と話す。例えば、システム性能を左右するストレージには現在、米Fusion-ioの超高速半導体ストレージを採用している。

 今でこそ一休は社員数130人だが、東証一部に上場した2007年当時はわずか30人(同年度の営業収益は約25億円)だった。徹底した少数精鋭主義がIT戦略にも反映しているようだ。

クーポン共同購入サイトにIaaS型クラウドサービスを適用

 その一休が2012年末に、一部サービスでクラウドサービスを利用し始めた。一休.comから派生し、宿泊券や食事券、レジャー施設利用券を販売するクーポン共同購入サイト「一休マーケット」である。2010年秋に始まった一休マーケットは、一休の中では新しいビジネスで、今後の伸びが期待される。一休自体はシステムの内製主義を取っているが、一休マーケットは開発規模が小さかったこともあり、サービス開始当初は外部委託を活用していた。具体的にはPaaS(Platform as a Service)的にインフラからWebフレームワークまで丸ごと外部サービスを利用していた。だが、運営が安定するに従い、自前運用への切り替えを検討。その際に採用したのが、インフラのみを外部から借りるIaaS(Infrastructure as a Service)型クラウドサービスだった。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news066.jpg

Metaに潰されないために残された生き残りの道は?――2025年のSNS大予測(Snapchat編)
若年層に人気のSnapchatだが、大人にはあまり浸透していない。一方で、AR(拡張現実)開...

news150.jpg

「猛暑」「米騒動」「インバウンド」の影響は? 2024年に最も売り上げが伸びたものランキング
小売店の推定販売金額の伸びから、日用消費財の中で何が売れたのかを振り返るランキング...

news110.jpg

Netflixコラボが止まらない 「イカゲーム」シーズン2公開で人気爆上がり必至のアプリとは?
Duolingoは言語学習アプリとNetflixの大人気ドラマを結び付けたキャンペーンを展開。屋外...