高級ホテル予約サイト「一休.com」を展開する一休は、2012年末から一部サービスで「IDCフロンティア クラウドサービス」を採用している。サービスを選ぶ上ではコスト以上にカスタマイズ性とインフラの先進性を重視した。
高級ホテル、レストランが割安に予約できるWebサイト「一休.com」で知られる一休。空室、空席を防ぎたい施設側と少しでも低料金で利用したいユーザーのニーズをマッチングして急成長してきた。2012年末で会員は300万人弱に上り、一休.comの取扱室数は2012年4月〜12月で前年比9.1%増の123万室(取扱高約289億円)に達した。
急成長を裏で支える同社のITは、オープンソースソフトウェアを活用し、廉価サーバを多数並べて可用性や性能を担保するという「Web系企業」のイメージとはかけはなれる。
システム基盤・インフラ部システムエンジニアの仙波 勲氏は「当社のほとんどのWebサイトは、ほぼフルに内製で開発・運用し、その時々の最先端ハードを使い、数名の運用担当でも高いサービスレベルを維持できるようにしている」と話す。例えば、システム性能を左右するストレージには現在、米Fusion-ioの超高速半導体ストレージを採用している。
今でこそ一休は社員数130人だが、東証一部に上場した2007年当時はわずか30人(同年度の営業収益は約25億円)だった。徹底した少数精鋭主義がIT戦略にも反映しているようだ。
その一休が2012年末に、一部サービスでクラウドサービスを利用し始めた。一休.comから派生し、宿泊券や食事券、レジャー施設利用券を販売するクーポン共同購入サイト「一休マーケット」である。2010年秋に始まった一休マーケットは、一休の中では新しいビジネスで、今後の伸びが期待される。一休自体はシステムの内製主義を取っているが、一休マーケットは開発規模が小さかったこともあり、サービス開始当初は外部委託を活用していた。具体的にはPaaS(Platform as a Service)的にインフラからWebフレームワークまで丸ごと外部サービスを利用していた。だが、運営が安定するに従い、自前運用への切り替えを検討。その際に採用したのが、インフラのみを外部から借りるIaaS(Infrastructure as a Service)型クラウドサービスだった。
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