iOS並みの安全性は保てるか
Android最新版で8割の脅威は撃退可能、だが実際は……
スマートフォン市場で米GoogleのOSシェアが伸びている。だが、それには大きな代償が伴っている。モバイル攻撃の大部分が同社のオープンソースOSを狙ったものだからだ。
悪質アプリの92%がAndroidユーザーを標的に
米Juniper Networksの3回目となる年次報告書「Mobile Threats Report」によると、2013年第1四半期に検出されたモバイルマルウェアは、前年同期比614%増の27万6000件超に上った。これらの悪質アプリの92%がAndroidユーザーを標的にしていた。
「モバイルマルウェアの多くは、サードパーティーのアプリストアで配布されている」と、Juniperのセキュリティビジネス部門グローバルプロダクトマーケティング担当副社長、マイケル・カラハン氏は語る。2013年6月に発表された同報告書は、Juniperのモバイル脅威センター(MTC)が2013年3月までの1年間に実施した調査をまとめたものだ。
「AppleのOSは非常によく管理されている。彼らはアプリの審査、安全性の確認、品質テストをしっかりと行い、その上で彼らのアプリストアにアプリを出している。GoogleもGoogle Playで同じことをやっている。彼らは安全で合法的なアプリが彼らのストアに並ぶようにきちんと対策を取っている。しかしAndroidはオープンなOSであるため、ユーザーはどこからでもアプリを追加できる。Androidアプリを提供するストアは乱立している」
MTCは、500以上のサードパーティーアプリストアがモバイルマルウェアを配布していることを発見した。これらのストアのうち60%が中国かロシアを拠点としている。
「人々がこうしたアプリストアを利用するのは、アプリが安く売られているからだ。だが、ダウンロードしようと思ったものとは違うものをダウンロードする羽目になる」(カラハン氏)
SMSマルウェアが横行
Juniperによると、モバイルマルウェアの73%は「FakeInstaller」または「SMSトロイの木馬」に分類される。これらはモバイル決済システムの抜け穴を突くものだ。攻撃が成功するたびにハッカーが得る利益は10ドルに上るという。「企業ネットワーク管理者にとって困ったことには、攻撃者は企業ネットワークを混乱させかねない複雑なボットネットも構築している」とJuniperは述べている。
「Androidは複数のバージョンが出回っており、このことも問題につながっている」と、カラハン氏は指摘する。Googleは、SMSの脅威の特定と対策に最善の努力を払っているが、同社によると、Android端末ユーザーのうち同OSの最新版のユーザーは4%にすぎないという。
「Androidの最新版が搭載された端末を使えば、同OSの脅威の約80%が解消される可能性がある。言い換えれば、Googleは自社のOSを適切に更新しているわけだ。彼らはセキュリティ上の脅威を発見すると、綿密な調査を行い、それを踏まえてOSを更新している。問題は、それをエンドユーザーにどうやって迅速に届けるかだ。端末メーカーは、Androidに独自のカスタマイズを施しているため、最新版について独自の品質保証プロセスを踏まなければならない。その分、最新版の提供が遅れることになる。だが、最新のOSを使うだけで、80%近くの脅威が解消される可能性があることを考えると、現在のエコシステムは効率が悪すぎる」(カラハン氏)
Androidマルウェアの増加は、世界スマートフォン市場におけるGoogleのシェア拡大と軌を一にしている。Juniperは調査会社の米Canalysのデータを引用し、「2012年に出荷されたスマートフォンに占めるAndroid端末の割合は、67%強に達した」と述べている。こうした流れを受け、サイバー犯罪者はターゲットとしてAndroidを集中的に狙っている。
なお、Juniperの報告書は、MTCが行った185万件以上のモバイルアプリの分析に基づいている。この件数は2012年に発行された前回の報告書の2倍以上に上る。
モバイルユーザーの不信を示す調査も
一方、米Aruba Networksが7月に発表した調査報告書では、モバイルマルウェア攻撃が増加を続ける中、私物のモバイル端末を仕事に使っている企業従業員は、雇い主が自分の個人情報に不当にアクセスする可能性も懸念していることが明らかになった。
同報告書によると、米国の従業員の66%、欧州の従業員の半数近く、中東の従業員の40%が、個人データを失うことを心配している。また、かなりの割合の従業員が、「自社のIT部門は、私物端末で使われる企業ファイルおよびアプリケーションのセキュリティ確保対策を講じていない」と回答しているという。
Arubaは、こうした状況を背景に、従業員がIT部門を通さずに勝手に私物端末を使っており、そのことが企業データを危険にさらしていると述べている。
「大西洋の両側で行われたこの調査は、現状では、従業員とIT部門のデータセキュリティへの対処が、危険な綱渡りであることを示している」と、Arubaの最高マーケティング責任者、ベン・ギブソン氏は指摘している。
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