正しいスナップショットの取り方は? ハイパーバイザー vs. ストレージアレイスナップショット機能を比較

スナップショット機能を持つものとして、ストレージアレイとハイパーバイザーがある。どちらの機能を使うべきなのか? これを検討するには、スナップショットの仕組みを理解する必要がある。

2016年01月29日 08時00分 公開
[Chris EvansComputer Weekly]
Computer Weekly

 スナップショットは、データ保護を目的とする、広く知られた成熟したテクノロジーだ。従来はストレージアレイで使われていたが、仮想化技術の登場によりハイパーバイザーで実行される機会も増えてきた。

Computer Weekly日本語版 1月20日号無料ダウンロード

本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 1月20日号」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。

なお、同コンテンツのEPUB版およびKindle(MOBI)版も提供しています。

ボタンボタン

 スナップショットを取得できる場所が2カ所になったため、どちらでスナップショットを取得するのが適切なのか? それぞれの長所と短所は何か? という疑問の声が目立っている。

 スナップショットは、ボリュームまたはLUN(論理ユニット番号)のイメージを表す、ある時点のデータのコピーで、バックアップおよびデータ復旧に使用する。スナップショットは真の意味でバックアップといえるのかどうかという点は、業界の中でも論争が続いている。個々のスナップショットは取得対象となるコピー元のボリュームに依存するため、ハードウェア障害に対する保護とはならないからだ。それでも、個々のファイルから仮想マシン(VM)、アプリケーションサーバ全体に至るまで、あらゆるものを復旧させるためにスナップショットは使われている。

 スナップショットは、メタデータを操作することで所期の目的を果たす。メタデータとは、LUNや論理ボリュームをディスクまたはフラッシュメモリの物理的な位置へマップするために使われる情報だ。通常、論理ボリュームはブロック単位で分割されていて、1ブロックのサイズは少なくとも4KBだ。スナップショットの作成とは、メタデータへのポインタを処理することで実現している、ある時点のボリュームイメージを取得することだ。

 スナップショットは、以下の3種類に分類される。

  • 変更ブロックスナップショット

これは実装形態によって、さらに「書き込み時コピー」と「書き込み時リダイレクト」の2種類に分かれる。書き込み時コピー(copy-on-write)スナップショットの場合、スナップショットのイメージは別の場所、通常は専用のスナップショット領域へボリュームの差分をコピーする。ボリュームの更新情報は「その場」に、つまり書き込まれたデータと同じ物理ストレージに作成する。書き込み時リダイレクト(redirect-on-write)スナップショットは、ボリューム内で更新されたブロックがあると、使用されていないストレージ領域にそのブロックをリダイレクトする。更新情報は常に空きスペースに書き込まれる。

  • クローン

クローンは、ボリューム全体をストレージ内の新しい物理スペースに書き込む。クローンの場合、より多くの記憶容量が必要だという意味で(加えてデータ移動のオーバーヘッドも発生するので)スナップショットのコストが高くなる。だが、別の物理メディアにコピーすることで、ある程度物理的な保護の役割を果たすという面もある。

  • CDP

継続的データ保護(CDP)は他の2つとは異なるアプローチで、ボリューム更新の差分データを保護する。論理上、ボリュームを任意の時点の状態に戻すことができる(通常は個々のブロック差分のレベルを意味する)。CDPシステムも、より多くの容量が必要だという点でスナップショットのコストが高くなるが、データ復旧の際は、高度なレベルの詳細な設定ができる。

ハイパーバイザーからのスナップショット

 ハイパーバイザーベースのスナップショットは、VMイメージのコピーを取得し、個々のファイルにアクセスしたり復旧させたりすることで、VMを復元するためのロールバックポイントを提供する、あるいは1つのVMを別のVMにクローンとして複製することを可能にする手法だ。

ITmedia マーケティング新着記事

news079.jpg

狙うは「銀髪経済」 中国でアクティブシニア事業を展開する企業とマイクロアドが合弁会社を設立
マイクロアドは中国の上海東犁と合弁会社を設立。中国ビジネスの拡大を狙う日本企業のプ...

news068.jpg

社会人1年目と2年目の意識調査2024 「出世したいと思わない」社会人1年生は44%、2年生は53%
ソニー生命保険が毎年実施している「社会人1年目と2年目の意識調査」の2024年版の結果です。

news202.jpg

KARTEに欲しい機能をAIの支援の下で開発 プレイドが「KARTE Craft」の一般提供を開始
サーバレスでKARTEに欲しい機能を、AIの支援の下で開発できる。