スナップショット機能を持つものとして、ストレージアレイとハイパーバイザーがある。どちらの機能を使うべきなのか? これを検討するには、スナップショットの仕組みを理解する必要がある。
スナップショットは、データ保護を目的とする、広く知られた成熟したテクノロジーだ。従来はストレージアレイで使われていたが、仮想化技術の登場によりハイパーバイザーで実行される機会も増えてきた。
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スナップショットを取得できる場所が2カ所になったため、どちらでスナップショットを取得するのが適切なのか? それぞれの長所と短所は何か? という疑問の声が目立っている。
スナップショットは、ボリュームまたはLUN(論理ユニット番号)のイメージを表す、ある時点のデータのコピーで、バックアップおよびデータ復旧に使用する。スナップショットは真の意味でバックアップといえるのかどうかという点は、業界の中でも論争が続いている。個々のスナップショットは取得対象となるコピー元のボリュームに依存するため、ハードウェア障害に対する保護とはならないからだ。それでも、個々のファイルから仮想マシン(VM)、アプリケーションサーバ全体に至るまで、あらゆるものを復旧させるためにスナップショットは使われている。
スナップショットは、メタデータを操作することで所期の目的を果たす。メタデータとは、LUNや論理ボリュームをディスクまたはフラッシュメモリの物理的な位置へマップするために使われる情報だ。通常、論理ボリュームはブロック単位で分割されていて、1ブロックのサイズは少なくとも4KBだ。スナップショットの作成とは、メタデータへのポインタを処理することで実現している、ある時点のボリュームイメージを取得することだ。
スナップショットは、以下の3種類に分類される。
これは実装形態によって、さらに「書き込み時コピー」と「書き込み時リダイレクト」の2種類に分かれる。書き込み時コピー(copy-on-write)スナップショットの場合、スナップショットのイメージは別の場所、通常は専用のスナップショット領域へボリュームの差分をコピーする。ボリュームの更新情報は「その場」に、つまり書き込まれたデータと同じ物理ストレージに作成する。書き込み時リダイレクト(redirect-on-write)スナップショットは、ボリューム内で更新されたブロックがあると、使用されていないストレージ領域にそのブロックをリダイレクトする。更新情報は常に空きスペースに書き込まれる。
クローンは、ボリューム全体をストレージ内の新しい物理スペースに書き込む。クローンの場合、より多くの記憶容量が必要だという意味で(加えてデータ移動のオーバーヘッドも発生するので)スナップショットのコストが高くなる。だが、別の物理メディアにコピーすることで、ある程度物理的な保護の役割を果たすという面もある。
継続的データ保護(CDP)は他の2つとは異なるアプローチで、ボリューム更新の差分データを保護する。論理上、ボリュームを任意の時点の状態に戻すことができる(通常は個々のブロック差分のレベルを意味する)。CDPシステムも、より多くの容量が必要だという点でスナップショットのコストが高くなるが、データ復旧の際は、高度なレベルの詳細な設定ができる。
ハイパーバイザーベースのスナップショットは、VMイメージのコピーを取得し、個々のファイルにアクセスしたり復旧させたりすることで、VMを復元するためのロールバックポイントを提供する、あるいは1つのVMを別のVMにクローンとして複製することを可能にする手法だ。
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