スマートフォン市場の成長率はさらに鈍化し、「iPhone 7」も売り上げ増に寄与していない。この傾向を打破するのは、AIを応用したスマートアシスタント機能かもしれない。
調査会社Gartnerが行った最新の市場シェアレポートは、スマートフォン市場の成長率が2016年末までに1.6%低下すると予測している。
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2015年よりも緩やかではあるが、スマートフォン業界は市場の成熟に合わせて成長を続けている。Gartnerは、スマートフォン市場が2016年に15億ドル台に達するとしている。
前回の2016年第2四半期レポートは、ユーザーの買い控えによるスマートフォンの売り上げ低下を指摘していたが(編注)、この状況は続いている。画面を大きくし解像度を上げても、スマートフォンの新規購入や機種変更にはつながっていない。
編注:10月5日号:ビッグデータでよみがえるレンブラント掲載の「2016年第2四半期のスマートフォン市場停滞の原因は『iPhone 7』」を参照。
ハードウェアを段階的に進化させても、新端末の販売促進は期待できないと同社のアナリストは考えている。Appleが最近リリースした「iPhone 7」は、同社スマートフォンの売り上げにそれほど大きな影響を与えていない。
「iPhone 7が大規模な買い替えにつながることは期待できない」と語るのは、Gartnerリサーチ部門のディレクターを務めるロベルタ・コッツァ氏だ。
売り上げの伸びが期待されるのはむしろ、iPhoneリリース10周年となる2017年だ。「AppleがiPhoneの設計を見直すことが予測されている2017年まで、購入を待つ必要がある」と同氏は付け加える。
「2017年には買い替え傾向が強くなり、新しいiPhoneのリリースも予測されることから、プレミアムなスマートフォン市場の成長率は3.5%まで回復するだろう」(コッツァ氏)
同氏によると、このリリースはユーザーに確実にメリットをもたらしたiPhone 6発売時と同様の効果を引き起こす可能性があるという。
「未来のiPhoneは、買い替えを促すだけの魅力的な新機能とデザインを提供する必要がある」(同氏)
Gartnerよると、「Android」の市場シェアは横ばいが続くという。「Androidメーカーは依然として困難に直面している」(同氏)
新しいAndroidスマートフォンの売り上げは、Huaweiなどの中国メーカーが主導している。だが、メーカーがハードウェアの販売に固執すると苦しむことになるだろう。
「Huaweiはソフトウェアに投資して、エコシステムを構築する必要がある」とコッツァ氏は言う。
「Google Assistant」を組み込んだ新しいスマートフォン「Pixel」をリリースしたGoogleや、「Alexa」をリリースしたAmazonの後を大手メーカーが追うことになるとGartnerは予測する。
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