チップ工場のウイルス感染により新型iPhoneの出荷が遅延……か?サプライチェーンの課題が浮き彫りに

2018年8月、半導体メーカーTSMCの工場がコンピュータウイルスに感染して操業を停止した。これが新型iPhoneの出荷に影響を与える恐れが指摘された。この事件は、新たな脅威を象徴している。

2018年09月20日 08時00分 公開
[Warwick AshfordComputer Weekly]

 TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)は、世界最大手の半導体メーカーだ。そのTSMCの工場でコンピュータウイルスが発見され、2018年8月第一週の週末、工場の稼働停止を余儀なくされた。この騒動は、テクノロジー業界のサプライチェーンの複雑な性質とセキュリティの脆弱(ぜいじゃく)性を浮き彫りにした。

Computer Weekly日本語版 9月19日号無料ダウンロード

本記事は、プレミアムコンテンツ「Computer Weekly日本語版 9月19日号」(PDF)掲載記事の抄訳版です。本記事の全文は、同プレミアムコンテンツで読むことができます。

なお、同コンテンツのEPUB版およびKindle(MOBI)版も提供しています。

ボタンボタン

 同社によると、コンピュータシステムの一部と製造ツールの80%がウイルスに感染したという。

 TSMCは感染の原因を「新しいツール用ソフトウェアのインストールプロセス中の誤操作」としており、ウイルスの詳細は明らかにしていないとCNNは伝えている。

 この感染を踏まえ、同社は「今回のセキュリティギャップを解消し、セキュリティ対策をさらに強化する措置を講じた」と発表した。

 工場は8月6日に通常操業を再開したが、週末の稼働停止は新しい「iPhone」の出荷に影響する恐れがある。TSMCはiPhoneおよび「iPad」用プロセッサの主力メーカーだ。

 ロイター通信はアナリストの話として次のように伝えている。TSMCはこのような混乱に備えている可能性が高い。そのため12インチウエハーの出荷への影響は限定的なものになるだろう。また、Appleも製品出荷への影響を減らすため、偶発的事態によってサプライチェーンに遅延が起きる可能性を見込んでいる。

 TSMCは、第3四半期に遅れた出荷は第4四半期には回復すると話す。だが、今回の稼働停止により第3四半期の収益は当初見込んでいた84億5000万〜85億5000万ドル(約9382億〜9493億円)から3%減少するとの見通しを示した。つまり、2億5400万〜2億5700万ドル(282億〜285億円)の損失になる。

 また、同社は出荷の遅れが予測される場合、

続きはComputer Weekly日本語版 9月19日号にて

本記事は抄訳版です。全文は、以下でダウンロード(無料)できます。


Computer Weekly日本語版 最近のバックナンバー

Computer Weekly日本語版 9月5日号 「Android分裂」か?

Computer Weekly日本語版 8月22日号 東京五輪でも活躍!? 5G最新動向

Computer Weekly日本語版 8月8日号 DockerとKubernetesのさらに先


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news162.jpg

3500ブランドの市場・生活者データでマーケターのアイデア発想を支援 マクロミル「Coreka」でできること
マクロミルが創業25年で培ったリサーチや分析ノウハウを結集し、アイディエーションプラ...

news064.jpg

Googleの独占市場が崩壊? 迫られるChrome事業分割がもたらす未来のシナリオ
本記事では、GoogleがChrome事業を分割した後の世界がどのようなものになるのか、そして...

news087.jpg

ノンアルクラフトビールが急成長! 米新興ブランドのCMOはなぜ「大手の市場参入を歓迎」するのか?
Athletic BrewingでCMOを務めるアンドリュー・カッツ氏は、大手企業がノンアルコールビー...