2018年8月、半導体メーカーTSMCの工場がコンピュータウイルスに感染して操業を停止した。これが新型iPhoneの出荷に影響を与える恐れが指摘された。この事件は、新たな脅威を象徴している。
TSMC(Taiwan Semiconductor Manufacturing Company)は、世界最大手の半導体メーカーだ。そのTSMCの工場でコンピュータウイルスが発見され、2018年8月第一週の週末、工場の稼働停止を余儀なくされた。この騒動は、テクノロジー業界のサプライチェーンの複雑な性質とセキュリティの脆弱(ぜいじゃく)性を浮き彫りにした。
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同社によると、コンピュータシステムの一部と製造ツールの80%がウイルスに感染したという。
TSMCは感染の原因を「新しいツール用ソフトウェアのインストールプロセス中の誤操作」としており、ウイルスの詳細は明らかにしていないとCNNは伝えている。
この感染を踏まえ、同社は「今回のセキュリティギャップを解消し、セキュリティ対策をさらに強化する措置を講じた」と発表した。
工場は8月6日に通常操業を再開したが、週末の稼働停止は新しい「iPhone」の出荷に影響する恐れがある。TSMCはiPhoneおよび「iPad」用プロセッサの主力メーカーだ。
ロイター通信はアナリストの話として次のように伝えている。TSMCはこのような混乱に備えている可能性が高い。そのため12インチウエハーの出荷への影響は限定的なものになるだろう。また、Appleも製品出荷への影響を減らすため、偶発的事態によってサプライチェーンに遅延が起きる可能性を見込んでいる。
TSMCは、第3四半期に遅れた出荷は第4四半期には回復すると話す。だが、今回の稼働停止により第3四半期の収益は当初見込んでいた84億5000万〜85億5000万ドル(約9382億〜9493億円)から3%減少するとの見通しを示した。つまり、2億5400万〜2億5700万ドル(282億〜285億円)の損失になる。
また、同社は出荷の遅れが予測される場合、
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