G Suiteの出現はどのような意味を持つのだろうか。Microsoft Officeの覇権は崩れたのか。ITインフラアーキテクトのバンデルズワン氏は、Microsoft Officeに表れたある変化を指摘した。
前編(Computer Weekly日本語版 11月21日号掲載)では、Googleの強み、そしてGoogleがMicrosoftからシェアを奪った事例を紹介した。
後編では、Microsoftが勝利した事例、複数ベンダーの製品を導入している事例、そしてGoogleの市場価値を紹介する。
小売業者Specsaversは2017年、Google製品に移行していた電子メール、コミュニケーション、コラボレーションソフトウェアをMicrosoft製品に戻した。
Specsaversで以前グローバル最高情報責任者(CIO)を務めていたフィル・パビット氏によると、2014年に同氏がSpecsaversに加わった当時、同社の国際事業はGoogleドキュメントとGmailを利用していたという。同氏の任務は、核となるシステムとインフラを含む広範囲に及ぶIT変革の指揮を執ることだった。この動きの中でGoogle製品を廃止し、Microsoft Officeに戻したのは偶然だった。
「SpecsaversはMicrosoft Officeではなく、『Googleスプレッドシート』などを企業全体で比較的順調に利用していた。『Word』と『PowerPoint』のインポートでは頻繁に問題に直面したが、Googleが国際事業における既定の選択肢だった」とパビット氏は言う。
「プロジェクトのあらゆる部分の規模が非常に大きかったため、取捨選択を行うのは仕事ではなかった。だが当社は『Microsoft Dynamics』や『Microsoft Dynamics CRM』など他のMicrosoft製品を購入していた。そこで、Microsoft製品に完全に統合するメリットを考え始めた」(パビット氏)
同氏の率いるチームが電話会議などのコミュニケーションツールに支払っている費用を調べたところ、Google製品よりもMicrosoftのライセンスが同社のニーズにマッチしていることが明らかになった。少なくともSpecsaversにとっては、Microsoft製品の方が安価であると分かったとパビット氏は話す。
Morrisonsでは全スタッフがG Suiteツールを利用している。Microsoft製品がMorrisonsのバックオフィスをサポートしていた3年前から文化が大きく変わったことになる。
だが
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