課題もありつつ、さまざまなメリットをもたらすシンクライアントデバイス。自社に適したシンクライアントデバイスを見極めて導入を成功に導けるかどうかが、IT担当者の腕の見せどころだ。何に注意すべきなのか。
リモートアクセスを実現したいと考えている企業にとって有力な手段となるのが、Microsoftの画面転送プロトコル「Remote Desktop Protocol」(RDP:リモートデスクトッププロトコル)を利用可能なシンクライアントデバイスの導入だ。前編「『シンクライアントデバイス』が欲しくなる6大メリット、買い控えたくなる3大課題」はシンクライアントデバイスのメリットと課題を取り上げた。後編となる本稿は、シンクライアントデバイスを選定する際の注意点を紹介する。
シンクライアントデバイスは構造そのものは単純でも、機能に関しては幅がある。RDPによるリモートアクセス用のシンクライアントデバイス選定に当たっては、エンドユーザーのニーズに照らし合わせて機能を検討することが大切だ。
まず目を向けるべき点として、そもそもRDPを利用できるかどうかが挙げられる。ほとんどのシンクライアントデバイスはRDPを利用可能だ。ただし中には、「X11」とも呼ばれる「X Window System」のような代替プロトコルしか利用できないシンクライアントデバイスもある。RDPを利用可能なシンクライアントデバイスを製造しているベンダーは、NComputingや10ZiG Technology、Leadtek Researchなどだ。
ディスプレイについても検討する必要がある。主要なシンクライアントデバイスは外付けディスプレイに接続できるが、ディスプレイの解像度によっては接続できないことがある。複数のディスプレイを同時に利用できるシンクライアントデバイスが限られている点も要注意だ。
必要な周辺機器を考慮に入れることも欠かせない。エンドユーザーが使うのはキーボード、マウス、ディスプレイだけではない。在宅勤務などのテレワークの場合、Webカメラやマイクも必要になる。全てのシンクライアントデバイスでそうした周辺機器を利用できるわけではないので、選定の際は必ずチェックしておこう。
セキュリティの視点も忘れてはいけない。例えば顔や指紋といった生体認証によるログインができる「Windows Hello」を活用する場合は、Windows Helloを利用可能なシンクライアントデバイスを選ぶ必要がある。一般的にシンクライアントデバイスは頻繁なメンテナンスは必要ないものの、ファームウェアの更新といった管理の作業が発生する。使用中のシンクライアントデバイスやネットワーク接続状況を把握する手段を確保することも重要だ。
シンクライアントデバイスの中には、無線LANか有線LANのいずれかしか利用できないもの、その両方を利用できるものがある。そのため自社にとって、どれが最適かを見極めなければならない。
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