「Windows」の管理者権限を不正に取得可能な脆弱性が「Windows Installer」に見つかった。ユーザーはデバイスを攻撃から守るために、どうすればいいのか。
セキュリティ研究者のアブデルハミド・ナセリ氏は2021年11月、Windowsの「権限昇格」に関する脆弱(ぜいじゃく)性を発見したことを明らかにした。権限昇格とは、一般ユーザーが管理者権限を取得するなど、本来許可されていない権限の取得を指す。
脆弱性「CVE-2021-41379」は、Windows用のソフトウェアインストーラー「Windows Installer」に存在する。Microsoftは2021年11月にWindows Installerの更新プログラム(パッチ)を配布したが、脆弱性を完全に修正できなかったことになる。ナセリ氏は米TechTargetの取材に対し、脆弱性の発見を事前にMicrosoftに通知しなかったと述べた。
ナセリ氏によると、ハッカーはWindowsのユーザーアカウント情報を手に入れれば、パッチが適用されたデバイスでも、管理者権限を取得できる可能性がある。同氏によれば、CVE-2021-41379がユーザーに与える影響は限定的で大規模な攻撃の可能性は低い。
ただしフィッシングメールなどの攻撃によってアカウント情報が流出しないよう注意が必要だとナセリ氏は指摘する。「CVE-2021-41379は複雑な脆弱性であるため、ユーザー自身で対策を講じられない。Microsoftが新たにパッチをリリースすることを待たなければならない」(同氏)
Microsoftの広報担当者は「(CVE-2021-41379の発見に関する)今回の情報開示を認識し、ユーザーを保護するために必要な対策を講じている」と説明。脆弱性がハッカーによって悪用されていれば、ハッカーはすでにアクセス権を取得し任意にコードを実行できるようになっている可能性が高いと同社はみている。
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