基礎から始める「オブザーバビリティ」(可観測性) まずやるべきことは?オブザーバビリティを高める「8つのポイント」【前編】

複雑化するシステムの問題を予測して、未然に防ぐ手法として「オブザーバビリティ」の向上がある。そもそもオブザーバビリティとは何か。実現方法とは。

2022年10月13日 05時00分 公開
[Clive LongbottomTechTarget]

関連キーワード

管理者 | インフラ | IT資産管理


 システム設計における「オブザーバビリティ」(可観測性)とは、「システムで起きていること」を可視化することで、問題発生の予測や問題の解消ができるようにすることを指す。そのために、システムからさまざまなデータを出力して監視、分析する。オブザーバビリティの向上は、システムのパフォーマンス監視やセキュリティといった分野で重要だ。

 企業はオブザーバビリティを向上させることで、システム構成が複雑になっても安定した運用を実現しやすくなる。特にオンプレミスのインフラとクラウドサービスにシステムが混在するハイブリッドクラウドにおいて、オブザーバビリティの向上が有効だ。オブザーバビリティには信頼できるデータが必要になる。何がデータ収集の基本になるのか。

1.“あれ”を特定するために「ネットワーク構成」を把握する

 ネットワーク構成が分からなければ、オブザーバビリティに必要なデータソースを特定できない。ネットワーク構成を把握するためには、通信のログを記録するツールが必要になる。ネットワークを仮想化している場合、ログ記録ツールが物理的なネットワーク機器を特定する必要はない。ログ記録ツールの大半は、ネットワーク機器の追加や削除があっても、問題なくログを記録できる。

2.「ログ生成」を有効にする

 可能な限り、ネットワーク機器の監視・制御プロトコル「SNMP」(Simple Network Management Protocol)やその他の標準形式のログを生成するツールを使用する。独自形式を採用しているツールを使う場合は、確実にデータにアクセスできるようにするための設定が重要だ。他には、ツールに付属する機能や専用のツールを使い、独自形式を標準形式に変換する手もある。


 中編は、分析するデータの絞り方や、分析ツールに必要な機能などを説明する。

TechTarget発 世界のインサイト&ベストプラクティス

米国TechTargetの豊富な記事の中から、さまざまな業種や職種に関する動向やビジネスノウハウなどを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

From Informa TechTarget

お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。

ITmedia マーケティング新着記事

news214.jpg

トラフィック1300%増、生成AIがEコマースを変える
アドビは、2024年のホリデーシーズンのオンラインショッピングデータを公開した。

news129.jpg

「ドメインリスト貸し」は何がマズい? サイトの評判の不正使用について解説
「サイトの評判の不正使用」について理解し、正しい対策が取れるにしましょう。

news046.jpg

代理店にもAIにも「丸投げ」はダメ 成果報酬型マーケティングを成功させるポイントは?
「成果報酬型マーケティング」を実現する上でインターネット広告業界が直面する課題とは...