2022年11月11日 10時00分 公開
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アーティストが「画像生成AI」を愛せない理由画像生成AIは“クリエイティブな泥棒”か【第2回】

画像生成AIモデルを使って作成した「AIアート」の普及を受けて、アーティストが危機感を募らせている。アーティストが抱く懸念は、どのようなものなのか。

[Esther AjaoTechTarget]

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 グジェゴシュ・ルトコフスキ氏は、人工知能(AI)技術で生成したアート作品(以下、AIアート)に関する論議に加わっているアーティストの一人だ。ルトコフスキ氏はポーランド出身のゲームイラストレーターで、「Dungeons&Dragons」(ダンジョンズ&ドラゴンズ)、「Horizon Forbidden West」といったゲームのイラストを手掛けている。

画像生成AIが「壊すもの」「奪うもの」

 ルトコフスキ氏は、自身のアート作品が画像生成AIモデル「Stable Diffusion」の教師データとして使われていることをファンから知らされた。同氏は、画像検索Webサイト「Lexica」で調査をした。Lexicaは、Stable Diffusionによる画像生成に利用した文字列(プロンプト)を基に、画像を検索できるWebサイトだ。その結果、同氏の名前は約9万3000回プロンプトに登場していた。「しばらくすれば、『Google』の検索結果がAIアートであふれ返り、私の作品が見つかりにくくなる可能性がある」と同氏は指摘。「これは私のオンラインポートフォリオ(作品集)を脅かす脅威だ」と語る。

 画像を生成するAIモデルは「経験豊かなアーティストと、若手アーティスト間の師弟関係を不要にしかねない」とルトコフスキ氏は考える。若手アーティストが、経験豊富なアーティストに指導してもらう代わりに、AIモデルを使おうと考える可能性があるからだ。

 風景画といった一部の絵画作品の制作に、人ではなくAIモデルの手を借りる機運が生まれることも考えられる。「アート業界の一部で雇用が失われることは予想に難くない」とルトコフスキ氏は危惧する。


 第3回は「AI技術はアーティストにメリットをもたらし得る」と考える専門家の意見を紹介する。

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