自動化技術やAI技術の普及は「数百万種の仕事をなくし、特定の仕事は今後も戻らない可能性がある」と、調査会社BCGらは指摘する。それはどういうことなのか。技術は企業の人材獲得にどのような影響を及ぼすのか。
前編「深刻な人材不足を招いた“真犯人”は『手厚い失業手当』だった?」は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミック(世界的大流行)下における米国の求人状況と、賃金上昇が労働力市場にもたらすデメリットを紹介した。採用を阻む問題は賃金だけではない。企業は空いているポジションを埋めるために、より迅速に採用活動を実施し、働き方の自由度を高め、福利厚生を充実させる必要がある。具体的には、従業員に自らのスケジュールや勤務地の決定に関する裁量権をより多く持たせるといった方法が考えられる。
この厳しい求人市場には別の問題もある。パンデミックによって業務の自動化が加速していることと、必要な業務スキルの変化により労働者をトレーニングする必要が生じていることだ。人工知能(AI)による業務への影響を共同で調査したコンサルティング会社Boston Consulting Group(BCG)と分析会社Faethmは、幾つもの仕事がデジタル化されることで、主要な労働力市場に混乱が起きると予測する。賃金上昇は、業務の自動化を加速させる可能性がある。
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