「NFT」(非代替性トークン)の活用が広がる中、NFTを狙った攻撃が活発化しつつある。そもそもNFTとは何か。何のために使えるのか。
昨今、ブロックチェーン技術の登場とともに脚光を浴びているのが「NFT」(Non Fungible Token:非代替性トークン)だ。NFTは「代替できないデジタルデータ」であり、デジタル世界では偽造不可な鑑定書や所有証明書として使われている。セキュリティの向上につながるはずのNFT。ところが、このNFTを巡って、企業からお金をだまし取る詐欺が活発化しつつある。
2022年3月、人気のNFTゲーム「Axie Infinity」の開発企業であるSky Mavisが攻撃を受け、約6億ドルが盗まれた。攻撃者はハッキングされた秘密鍵を使用し、Axie Infinityユーザーのデジタルウォレット(電子決済用ソフトウェア)からNFTを引き出した。これは、NFTを狙った攻撃の一例に過ぎない。
NFTにはそもそも、どのような用途があるのか。以下にその代表的な例を挙げる。
基本的なNFTの特徴を整理しよう。NFTは、ブロックチェーンにおけるデジタル資産の一種だ。ビットコインといった暗号資産(仮想通貨)とは異なり、代替が不可能なため、所有権の認証として機能する。ブロックチェーンの全ての取引は、所有権を記録するためのデジタル台帳に記載される。各NFTは1つしか存在せず、再作成もできない。NFTの主な種類は下記の通りだ。
企業や一般消費者は、唯一無二の投資品や収集品としてNFTを購入する。NFTは数百万ドルで取引されることもある。デジタルアーティストのBeeple(本名マイク・ウィンケルマン)のNFT作品は、1点6900万ドル以上で落札された。「Bored Ape Yacht Club」(BAYC)や「CryptoPunks」といったNFTアートもそれぞれ数十万ドルで販売されている。
第2回は、NFTを狙った攻撃の種類を紹介する。
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