NaaSはネットワークのインフラを自社で管理せず、サブスクリプション形式で利用する仕組みだ。NaaSの基礎やメリットを専門家が解説する。
「DX」(デジタルトランスフォーメーション)に関連する分野のトレンドには、人工知能(AI)技術、自動化、クラウドコンピューティングなどが挙がる。ネットワークやそのインフラをサブスクリプション形式で利用する「NaaS」(Network as a Service)もトレンドの1つだ。調査会社Gartnerは、2024年末までに15%の企業がNaaSを導入すると予測している。NaaSにはどのようなメリットがあるのか。
NaaSはネットワークインフラを自社で所有、管理する負担を軽減したい企業向けのサービスだ。ネットワーク機器やソフトウェア、ネットワークリソースを1つのサービスとしてパッケージ化した、サブスクリプション型のサービスとなっている。企業は自社ネットワークインフラの運用や管理をNaaSベンダーに委ねることになる。
NaaSベンダーとサービスレベル契約(SLA)を締結すれば、データ転送の順番や帯域幅を制御するQoS(Quality of Service)の実装やアップタイム(システムの稼働可能な時間)の向上、強力なセキュリティが保証される。
ITコンサルティング企業Grundemann Technology Solutionsのマネージングディレクターであるクリス・グルンデマン氏は、「NaaSはビジネスのアジリティー(機敏性)を高めるのに役立つ」と述べる。
グルンデマン氏は、NaaSベンダーPacketFabricの市場調査・分析担当シニアディレクターであるケン・グレー氏と共に、NaaSの導入が加速している背景を分析した。NaaSはネットワーク運用の自動化や、サービスをサブスクリプション形式で提供する「as a Service」モデルであることから、企業WAN(ワイドエリアネットワーク)を広帯域化してビジネスのアジリティーを支えられることが背景にあると両氏は分析した。
ネットワークはITインフラの基本だ。ネットワークが使用できなくなると、ビジネス全体に影響が及ぶ。「従来のネットワーク管理方法は、さまざまな変更に迅速に対処するのに適していなかった」とグルンデマン氏は説明する。
第2回は、企業がNaaSに関心を寄せる理由を分析する。
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