“できるセキュリティ人材”向けの資格4選【前編】
「セキュリティエンジニア」としての道が開ける推奨の“認定資格”はどれだ?
巧妙な手口を使う攻撃者に対して、企業のセキュリティ担当者もスキルを上げて対抗しなければならない。セキュリティ担当者として専門性を高めるために有効な認定資格とは。
セキュリティ担当者の重要なミッションの一つは、攻撃を検知して対策を講じることにより、ビジネスへの影響を最小限に抑えることだ。そのためには、通信の分析方法をはじめ、各種セキュリティツールの使い方、対策のプロセス策定や演習などに精通する必要がある。
そうしたセキュリティのスキルや知識を身に付け、セキュリティ担当者としてキャリアアップを図るためには、どのような認定資格を取得するのが有効なのか。主要な4つの認定資格を紹介する。
「セキュリティエンジニア」にお薦めの“認定資格”とは?
1.EC-Council「ECIH」(EC-Council Certified Incident Handler)
EC-Council(電子商取引コンサルタント国際評議会)の「ECIH」(EC-Council Certified Incident Handler)は、検知や封じ込め、侵入後対策など、組織が攻撃を受けた場合の対処法を基礎から学べるコースだ。実習も用意してある。ECIHは以下10項目で構成されている。
- インシデントハンドリング(攻撃対処)概論
- インシデントハンドリングのプロセス
- 初期対処
- マルウェア検知・対処の方法
- メールセキュリティの高め方
- ネットワークセキュリティの高め方
- Webアプリケーションセキュリティの高め方
- クラウドセキュリティの高め方
- 内部脅威への対処
- エンドポイントセキュリティの高め方
試験の時間は3時間だ。100問の選択式問題で構成される。合格に必要な正解率は70%以上だ。受験者は3年間のセキュリティ業務経験が必要になる。合格後は資格を3年ごとに更新しなければならない。
ECIHの認定資格はセキュリティ業界で広く認知されている。一方で「入門コースとしても基本的過ぎる」という見方がある。EC-Councilは過去にデータが流出したことがあり、EC-Council自体のセキュリティ対策を疑問視する人もいる。
2.GIAC「GCIH」(GIAC Certified Incident Handler)
Escal Institute of Advanced Technologies(SANS Instituteの名称で事業展開)が提供する認定資格GIACの「GIAC Certified Incident Handler」(GCIH)は、インシデント対処を広範にカバーしている。ベースとしているのは、SANS Instituteが開発したコース「SEC504: Hacker Tools, Techniques, and Incident Handling」だ。GCIHでは“攻撃者の視点”でカリキュラムを組み、さまざまな手口の攻撃への対処法を学習することができる。
SEC504: Hacker Tools, Techniques, and Incident Handlingは、オンプレミスシステムやクラウドサービスなど、システム形態に応じた防御策に重点を置いている。使い方を学べるツールは、オープンソースソフトウェア(OSS)のパスワード復元ツール「Hashcat」の他、OSSのセキュリティ監視ツール「Nmap」「Zeek」「Metasploit」などだ。これらのツールを使った演習や実習も含まれる。
GCIHの内容を補完するために、GIACの「GIAC Certified Intrusion Analyst」(GCIA)を受講することが推奨される。このコースでは、攻撃手法を分析するための高度な知識を身に付けることができる。他には、攻撃の調査方法を学ぶ「GIAC Certified Forensic Analyst」(GCFA)もある。ただしGCIHと違い、GCIAとGCFAは初心者向けではない。
GCIHのカバー範囲は以下の通りだ。
- インシデント対処とサイバー犯罪調査
- インシデント対処のプロセスやベストプラクティス(最適な実施方法)を学習
- 攻撃者の戦術
- さまざまな手口の攻撃を特定し、阻止する方法を学習
- セキュリティツールの使い方
- 上記で取り上げたHashcat、Nmap、Zeek、Metasploitなどの使い方を学習
試験の時間は4時間だ。106問で構成される。合格に必要な正解率は70%以上だ。
後編は、3つ目と4つ目の認定資格を取り上げる。
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