BroadcomがVMwareを買収したことで、VMwareを利用していた一部のユーザー企業が別の製品群に乗り換えている。Nutanixは、そうした動向の背景をどう分析しているのか。
Nutanixは、2024年第2四半期(2023年11月~2024年1月)の業績は、売上高が前年同期比16%増の約5億6500万ドル、年間経常収益(ARR)が同26%増の17億4000万ドルだったと報告した。
NutanixのCEOラジブ・ラマスワミ氏は好調の理由を次のように分析する。「半導体ベンダーBroadcomがVMwareを買収したことで、当社にとっては今後数年の長期にわたって新規顧客を獲得し、シェアを拡大する機会が生まれている」。Nutanixは、VMware製品からの乗り換えが起きる理由についてどう分析しているのか。
Broadcomの価格戦略は、VMwareのハイパーバイザー「ESXi」を利用する既存顧客にハイパーバイザーの切り替えを促す可能性があるとラマスワミ氏は指摘する。「Broadcomは値上げを図り、最小在庫管理単位(SKU:Stock Keeping Unit)数を減らし、ライセンスをサブスクリプション方式のみに切り替えている」(同氏)
ラマスワミ氏によると、VMwareの顧客企業の大多数はESXiを単独で運用しているという。そうした中においてBroadcomは、従来のライセンスを廃止し、コア単位のサブスクリプション方式に切り替えている。VMwareのハイブリッドクラウド構築用の製品群「VMware Cloud Foundation」への移行も迫っている。「サーバ仮想化ソフトウェア群「VMware vSphere」(以下、vSphere)の運用に満足している顧客が、VMware Cloud Foundationへの移行を余儀なくされている」と同氏は語る。
NutanixはVMware製品からの移行を望む顧客を対象とするプロモーションを実施している。Nutanix製品のライセンスを1年間無償提供する他、VMwareのストレージ仮想化ソフトウェア「VMware vSAN」またはESXiで運用するアプリケーションを移行するサービスも提供する。ただし、Nutanixのこのプロモーションによるサービスを利用するには、 最低年間10万ドルのサブスクリプションを3年契約する必要がある。
ラマスワミ氏によると、Nutanixの製品群ではユーザーの求める機能や利用ユーザーの数に応じて「Starter」「Pro」「Ultimate」の3種類からソフトウェアのエディションを選べる。「当社のクラウド管理サービスの利用は強制しない」(同氏)
次回は、実際にVMware製品から移行する企業が直面する可能性のある課題について解説する。
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