「Google検索より便利」とうわさのPerplexity AIは本当に“使える”か?LLM×検索エンジンによる真価【後編】

Google検索に代わる存在としてAI搭載検索エンジン「Perplexity AI」が注目を集めている。本当にGoogle検索以上に役立つものなのか。筆者が実際に使ってみた。

2024年06月21日 08時00分 公開
[Damon GarnTechTarget]

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 「Perplexity AI」は、AI(人工知能)ベンダーPerplexityが提供するAI搭載検索エンジンだ。大規模言語モデル(LLM)を用いた対話形式での検索が可能で、「Google検索」(Google Search)をはじめとする従来の検索エンジンに代わる存在として注目を集めている。筆者は実際にPerplexity AIを使ってみた。どのような検索ができ、どのようなメリットがあるのかなどを紹介しよう。

Google検索より便利? Perplexity AIは本当に使えるのか

 まず、Perplexity AIのアカウントを作成する。アカウントがなくても使用できるが、作成すると、チャット履歴を整理して後から参照できる「コレクション」の管理や共有ができる。

 メールアドレスを使用して無料のPerplexity AIアカウントを作成し、アカウント情報を設定する。左下隅に表示されるリンクからアプリケーション版のPerplexity AIをダウンロードして、「iPhone」や「Android」搭載デバイスに追加することも可能だ。

 左上のサイドバーには、「新しいスレッド」「発見」「ライブラリ」などのタブが表示される。発見タブをクリックすると、AI技術を含むIT関連の最新ニュースの見出しにアクセスできる。ライブラリタブからは、過去のチャット履歴を確認できる。

 「フォーカス」機能を使用すれば、検索対象のカテゴリーを絞り、Webにおける膨大量の情報を効率的に探したり、的確な回答を得たりすることができる(図1)。カテゴリーは以下の通り。

  • インターネット全体を検索する「All」
  • 動画共有サイトYouTubeの動画を検索する「YouTube」
  • コミュニティーにおけるディスカッションや、口コミなどの意見を検索する「Reddit」
  • 学術論文を検索する「Academic」
  • 計算知識エンジンを用いて複雑な計算やデータの処理ができる「Wolfram Alpha」
  • インターネット検索はせず、アップロード資料の分析や要約のみ実施する「Writing generator」

画像 図1 Perplexity AIのフォーカス機能(筆者が取得した画面)

 検索クエリへの回答に加えて、Perplexity AIはコンテンツの生成もできる。Writing機能をテストしてみよう。「吹雪に関するブルース(哀調を帯びた歌曲)の曲を、Aマイナーコードで書いて」と指示してみた(図2)。

画像 図2 Perplexity AIに曲を作成するようプロンプトを入力(筆者が取得した画面)

 結果は以下の通り。

画像 図3 Perplexity AIが作成した曲(筆者が取得した画面)

 韻は踏めているが、プロンプトの「Aマイナーコードで」を文字通り受け取り、歌詞にそのまま書いてしまっていた。

Perplexity AIのメリットとデメリット

 筆者はPerplexity AIを使い始めてから、日々の執筆活動にかかる時間と労力を節約できるようになった。特に、出典を記載してくれる点が、信頼性の確保やトピックの深掘りにつなげることができるので気に入っている。

 Perplexity AIの主要なメリットは以下の通り。

  • 直感的なインタフェースとシンプルな操作性を備えており使いやすい
  • 対話形式でのWeb検索ができる
  • 回答の情報源を提示してくれる
  • 複数のLLMを使い分けることができる(有償版のみ)
  • コレクション機能により、過去の質問の保存と整理ができる
  • 無償版でも基本的かつ豊富な機能を利用できる

 一方、デメリットとしては、既出の回答を何度も繰り返す、LLMが不正確な回答を出力する幻覚(ハルシネーション)などがあるが、これは生成AIサービス全般に当てはまる課題だと言える。

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