Google検索とは全然違う? Perplexity AIの「AI検索エンジン」とはLLM×検索エンジンによる真価【前編】

Google検索など従来の検索エンジンに代わる存在として、AI搭載の検索エンジン「Perplexity AI」が注目を集めている。何ができるのか。

2024年06月14日 07時00分 公開
[Damon GarnTechTarget]

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 人工知能(AI)技術が台頭し、データの活用方法が大きく変わっている。検索エンジンもその例外でない。「Perplexity AI」は、AIベンダーPerplexityが提供するAI搭載検索エンジンだ。「Google検索」(Google Search)をはじめとする従来の検索エンジンとは違うやり方で、検索を支援する。どのような検索が可能なのか。

「Perplexity AI」はGoogle検索と何が違う?

 Perplexity AIは、複数の大規模言語モデル(LLM)を活用する対話形式の検索エンジンだ。質問の文脈に基づいてWebにある最新情報を検索し、その結果を自然言語で分かりやすく整理する。それに加えて、絞り込み検索の提案など、質問の意味を考えてより具体的な情報を探す手伝いをしてくれる。

 Google検索をはじめとする従来の検索エンジンは、キーワードを入力すると関連するURLリンクのリストを提示する。それに対してPerplexity AIは、ユーザーが入力した質問に直接回答したり、情報を要約して提供したりする。

 Perplexity AIの用途は検索エンジンだけではない。OpenAIの「ChatGPT」やAnthropicの「Claude」といったAIチャットbotと同様、テキストや画像などコンテンツの生成も可能だ。有料版ではLLMの「GPT-4」「Claude 3」の他、OpenAIの「DALL-E 3」、Stability.AIの「Stable Diffusion XL」といった画像生成AIが可能なマルチモーダルLLMを含めて、切り替えて使用することができる。

Perplexity AIの3つのプラン

 Perplexity AIでは、3つのサブスクリプション形式を用意している。

  • 無償版のPerplexity AI
    • OpenAIのLLM「GPT-3.5」とMicrosoftの検索エンジン「Bing」を組み合わせた基本的な検索機能がある
    • 画像やPDFファイルをアップロードして質問できるが、アップロードには1日3回までの回数制限がある
    • アカウント作成は不要だが、作成するとGPT-4を4時間ごとに5回使用できる他、過去の検索履歴の参照が可能になる
  • Perplexity Pro
    • 月額契約の場合、ユーザー当たり20ドル。年間契約の場合は年額200ドル
    • Claude 3の他、OpenAIの「GPT-4o」やGoogleの「Gemini」など複数のLLMへの切り替えが可能
    • MetaのLLM「LLaMa3」をベースにPerplexity AIが開発したモデル「Sonar Large」も含まれる
    • 用途に応じて最適なLLMを選ぶことで、幅広い情報収集や、回答精度の向上が見込める
    • ファイルのアップロード回数は無制限で、1日当たりの質問は600回まで可能。画像生成は1日50回まで
    • 開発者向けのAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)を月額5ドルで使用できるなど特典がある
  • Perplexity Enterprise Pro
    • 組織の規模に応じた柔軟な価格設定
    • Perplexity Proの機能に加え、ユーザー管理やシングルサインオン統合、セキュリティ強化、データ保持といった管理者向け機能が追加されている

 後編は、Perplexity AIの使用感や期待できるメリットを紹介する。

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