OpenAIが2023年11月に発表したモデル「GPT-4 Turbo」を含めて、「GPT」のモデルにはどのような違いがあるのか。精度やコストを含めて具体的に比較する。
AIベンダーOpenAIが提供するAIチャットbot「ChatGPT」は、LLM(大規模言語モデル)「GPT」(Generative Pre-trained Transformer)をベースにしている。OpenAIはそのGPTの改良を重ね、「GPT-3.5」「GPT-4」など複数のモデルを発表している。
2023年11月にOpenAIが発表したモデル「GPT-4 Turbo」を含めて、GPT-3.5やGPT-4などGPTのモデルにはどのような違いがあるのか。回答の精度やコストの観点を踏まえて比較する。
GPT-3.5の学習データは2021年9月までのデータに限られている。そのため最新の情報に関して、クエリ(問い合わせ)の精度は制限される。
各ベンダーがAIツールを発表し、AI市場への参入企業が増える中で、AIモデルの価格設定は重要な要素となっている。GPT-3.5もしくはGPT-4を導入する際の価格の選択肢は複数ある。
GPT-3.5は2024年5月現在、ChatGPTの無料版で利用可能なモデルだ。有償版「GPT-3.5 Turbo」のAPI料金は以下の表の通り。
モデルID | 入力 | 出力 |
---|---|---|
gpt-3.5-turbo-0125 | 0.50ドル/100万トークン | 1.50ドル/100万トークン |
gpt-3.5-turbo-instruct | 1.50ドル/100万トークン | 2.00ドル/100万トークン |
GPT-4は2023年4月までのデータをトレーニングに使用している。「ChatGPT Plus」「ChatGPT Enterprise」ではWebブラウジング機能を利用できるため、リアルタイムでインターネットの情報を取得することも可能だ。
GPT-4には、以下3つの有償プランがある。
モデルID | 入力 | 出力 |
---|---|---|
gpt-4 | 30.00ドル/100万トークン | 60.00ドル/100万トークン |
gpt-4-32k | 60.00ドル/100万トークン | 120.00ドル/100万トークン |
GPT-4 Turboは2023年12月までのデータをトレーニングに使用している。12万8000トークンのコンテキストウィンドウを持ち、これは1回のプロンプト(生成AIに対して出す質問や指示)で約300ページ以上のテキストに相当する。
2024年4月時点で、GPT-4 TurboはGPT-4よりも低いAPI料金で利用可能だ。入力トークンは3分の1、出力トークンは2分の1で利用できる。
モデルID | 入力 | 出力 |
---|---|---|
gpt-4-0125-preview | 10.00ドル/100万トークン | 30.00ドル/100万トークン |
gpt-4-1106-preview | 10.00ドル/100万トークン | 30.00ドル/100万トークン |
gpt-4-1106-vision-preview | 10.00ドル/100万トークン | 30.00ドル/100万トークン |
レート制限(ユーザーの権限によって、APIにアクセスする回数や範囲を制限すること)は従来モデルと比較して約倍増し、1日当たりの制限がなくなった。具体的な数字はユーザーの「Tier」(使用レベル)によって異なる。
2024年5月時点でGPT-4 Turboはプレビュー版のみ提供のため、GPT-4 Turboのレート制限の拡大はできない。OpenAIは一般ユーザー向けのGPT-4 Turboモデルを提供する計画だが、提供日は未定だ。
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