OpenAIは大規模言語モデル(LLM)「GPT」の改良を進めている。「GPT-3.5」とその改良版「GPT-4」は何が違うのか。それぞれの特徴と違いをまとめた。
テキストや画像などを自動生成するAI(人工知能)技術「生成AI」(ジェネレーティブAI)をビジネスに活用する動きが広がっている。生成AIを活用するに当たってまず重要なのが、適切なモデルの選択だ。
AIベンダーOpenAIは、大規模言語モデル(LLM)「GPT」(Generative Pre-trained Transformer)の改良に取り組んでおり、「GPT-3.5」や「GPT-4」など複数のモデルを発表している。それぞれ何が違い、どのような特徴があるのか。
OpenAIは2022年11月にGPT-3.5を、2023年3月にはGPT-4を発表している。それぞれの特徴と、違いをまとめた。
GPT-3.5は自然言語を理解し、回答を生成する。自然言語処理に関する幅広いタスクをこなすことができる。主要な用途は以下の通り。
開発者は改良版のモデルである「GPT-3.5 Turbo」を使い、独自にモデルをトレーニングする「ファインチューニング」を実施することで、特定の用途向けに最適化することができる。パラメーター(モデルのトレーニングに使う変数)の変更をせずに、少数の例文を提示するだけでタスクを解決できる「フューショット学習」(Few-shot Learning)機能も提供する。
OpenAIはAIチャットbot「ChatGPT」のLLMを利用するためのAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)「Chat Completions API」を公開している。外部のアプリケーションやサービスから、GPT 3.5 Turboの以下のモデルにアクセスできる。
GPT-4は、OpenAIの企業向けプラン「ChatGPT Team」「ChatGPT Enterprise」が採用しているモデルだ。基本的な機能はGPT-3.5と同じだが、回答の信頼性やクリエイティブ性に優れており、プロンプト(生成AIに対して出す質問や指示)の微細な意図をくみ取ることが可能だという。
その他の大きな違いは以下の通りだ。
開発者は、Chat Completions APIからGPT-4を利用できる。OpenAI によると、2023年7月時点でAPI経由のGPT利用のうち97%をGPT-4が占める。
後編は、GPTの各モデルを精度とコストの面から比較する。
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