OpenAIの新プラン「ChatGPT Team」は「Microsoft Copilot」とは何が違う?GPTカスタマイズの可能性【後編】

OpenAIのChatGPT新プラン「ChatGPT Team」は企業による利用を想定したサービスだ。競合製品であるCopilotとの違いを踏まえて、ChatGPT Teamの特徴やメリットを解説する。

2024年03月27日 07時00分 公開
[Esther AjaoTechTarget]

 AI(人工知能)ベンダーOpenAIが2024年1月に発表した「ChatGPT Team」は、AIチャットbot「ChatGPT」のサブスクリプション新プランだ。企業は「GPT-4」をはじめとするAIモデルへのアクセスを含め、チーム向けの機能を利用できる。

 調査会社Forrester Researchでアナリストを務めるウィリアム・マッキノンホワイト氏はChatGPT Teamについて、「MicrosoftのAIアシスタント『Microsoft Copilot』(以下、Copilot)と機能が類似している」と指摘する。Copilotの競合サービスとしてChatGPT Teamにはどのような特徴やメリットがあるのかを解説する。

「ChatGPT Team」はCopilotとは“あれ”が違う

 ChatGPT Teamは、OpenAIの「GPT-4」「Dall-E 3」といったAIモデルを提供する。ユーザーはチーム向けワークスペース内で、独自のGPTアプリケーションを開発したり、開発したアプリケーションを共有したりできる。料金はユーザー当たり月額25ドル、年間契約の場合はユーザー当たり月額30ドルだ。

 特に中堅・中小企業がChatGPT Teamに関心を持つと考えられる。小規模な組織やチームは汎用(はんよう)的なコラボレーションツールよりも、自社専用にカスタマイズしたツールを使いたいと考える傾向にあるからだ。他にも、Microsoft製品に依存したくない組織の関心を引く可能性がある。

 一方でChatGPT Teamの弱みとしてマッキノンホワイト氏が挙げるのは、データ連携のレイヤーが不足している点だ。競合となるCopilotは、Microsoftのサブスクリプションサービス「Microsoft 365」で生成するデータにユーザーがアクセスできるAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)群「Microsoft Graph」と連携できる。Microsoft 365のデータを基にすることで、ユーザーや用途に合わせて回答を出力することが可能だ。

 ChatGPT Teamについてマッキノンホワイト氏は、「他ツールと連携したい、データにアクセスしたいといったユーザーの要望に応えるための検討を進めるべきだ」と指摘する。

 今後ChatGPT Teamのユーザーは、アプリケーションストア「GPT Store」を利用できるようになる見込みだ。GPT Storeで企業は、ChatGPTをカスタマイズできる機能「GPTs」(GPT Builder)で独自アプリケーションの作成や販売ができる。それに加えてChatGPT Teamのユーザーは、GPT Storeで自社ワークスペースのみに公開された独自アプリケーションを安全に利用できる。

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