SSDを融合させたストレージ「FLAPE」はテープやHDDとは“あれ”が違う謎のストレージ「FLAPE」の利点【前編】

ストレージはさまざまな進化を遂げている。複数のストレージを掛け合わせた「FLAPE」もその一つだ。FLAPEとはどのようなストレージなのか。その利点とは。

2024年03月27日 08時15分 公開
[Brien PoseyTechTarget]

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管理者 | ストレージ | 技術解説


 過去には「テープの需要はもうなくなる」という見方が広がった時期があるが、実際にはテープの需要は消えていない。SSDなどのフラッシュストレージをテープに掛け合わせた「FLAPE」(フレープ)というストレージもある。FLAPEの利点や、HDDとの違いとは何か。

SSDを融合させた「FLAPE」はテープやHDDとは“あれ”が違う

 FLAPEの利点を理解するために、まずはフラッシュストレージとテープのそれぞれの長所と短所を把握しておこう。

フラッシュストレージ

 SSDなどフラッシュストレージの大きな利点は、他のストレージよりもデータ読み書きが高速になりやすいことだ。SSDには、フラッシュメモリの一種である「NAND型フラッシュメモリ」が使われている。特にストレージの接続規格「NVMe」(Non-Volatile Memory Express)に準拠したSSDは、データ読み書きのパフォーマンスが高くなる。

 HDDが搭載しているような可動部分はSSDにはない。そのためSSDは、回転するディスク(プラッタ)を搭載するHDDと比べて消費電力が少ない他、音や熱もあまり発生しない。

 SSDの欠点は、総じて保存できるデータの容量が比較的小さい、あるいは容量単価が比較的高くなることだ。数十TB(テラバイト)規模の大容量のSSDもあるが、1GB当たりのコストはHDDよりも高くなる傾向にある。

テープ

 テープは大容量のデータを比較的安価に保存できるのが魅力だ。テープのデータ転送速度は決して遅いわけではなく、連続的なデータの読み込みは得意とする。一方でテープは、不連続なデータへのアクセスには不向きだ。

 テープは基本的にはデータを読み書きするとき以外は電力を消費しない。その観点では環境に優しく、持続可能性を追求したストレージだと言える。

FLAPEの利点とは

 FLAPEはフラッシュストレージの速度と、テープの大容量を組み合わせた階層型ストレージだ。データの特性に応じてフラッシュストレージとテープを使い分ける。フラッシュストレージのみを使う場合と比べ、データ保存のコストを抑えることができる。


 後編はFLAPEのより具体的な活用方法や、利点や注意点を紹介する。

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