プロンプト作成を助けてくれる「Prompter」「PROMPTMETHEUS」「FusionAI」とはプロンプトエンジニアリングツール7選【後編】

生成AIの中でも、テキストを生成するAIからより良い答えを引き出すための技法を「プロンプトエンジニアリング」と呼ぶ。そのために活用できる3つのツールとは。

2024年02月26日 05時00分 公開
[Emily FosterTechTarget]

関連キーワード

人工知能


 テキストや画像などを自動生成するAI(人工知能)技術「生成AI」(ジェネレーティブAI)を業務に活用する動きが広がり始めている。テキストを出力する生成AIは、大規模言語モデル(LLM)を基に稼働している。LLMから望ましい回答を得るには、適切なプロンプト(情報生成のための質問や指示)を作成することが重要だ。そうしたプロンプトを作成する設計プロセスである「プロンプトエンジニアリング」を支援するツール7つのうち、本稿は5〜7つ目を紹介する。

ツール5.Prompter

 「Prompter」はOpenAIのLLM「GPT-3.5」「GPT-4」用のデバッグツールで、プロンプトの問題の特定、対処に利用できる。LLM用のプロンプトをテストし、繰り返し結果を確認するための環境も提供する。

 エンドユーザーはPrompterを使って、過去のプロンプトを保存して再利用したり、パラメータを調整してLLMの応答を調整したりできる。複数の異なるプロンプトを一度にテストしたり、APIにプロンプトを送信して結果を表示したりすることも可能だ。

 現在のところ、PrompterはGPT-3.5とGPT-4としか連携していない。将来的には、Anthropicの「Claude」をはじめとする他のモデルでも利用可能にする計画があるという。「Google Chrome」「Mozilla Firefox」「Safari」「Microsoft Edge」といったWebブラウザで利用できる。

 Prompterは無償で利用できるが、APIキーに基づく使用制限がある。

ツール6.PROMPTMETHEUS

 「PROMPTMETHEUS」は、複雑なLLM用プロンプト作成に特化したツールだ。リモートサーバでプロンプトを実行する「AIプログラミングインタフェース」(AIPI)を提供する。プロンプトをデータやテキストごとのブロックに分解して、エンドユーザーは自由にそれらのブロックを並べ替えたり、組み合わせたり、テストしたりできる。プロンプトの作成履歴の保存や、クラウドサービスとして提供されるLLMでプロンプトを実行する際のコストの見積もりも可能だ。

 対象のLLMはAnthropicの「Claude 2」、Meta Platformsの「Llama 2」、Aleph Alphaの「Luminous」などで、将来的にはxAIの「Grok 1」などのモデルでも利用可能になるという。

 プロンプト作成、やデータのエクスポートおよびインポート機能を備えた無償の試用プラン「Playground」は、原稿執筆時点ではOpenAIのモデルでしか動作しない。その他の有償プランには、月額29ドルの「Standard」、月額79ドルの「Pro」、月額490ドルの企業向けプラン「Team」がある。

ツール7.FusionAI

 「FusionAI」はプロンプトの改善や拡張を支援するプロンプトエンジニアリングツールだ。クリエイティブなライティング、アイデア出し、ブレーンストーミングに活用できる。

 エンドユーザーが作成したいプロンプトの内容を記述すると、FusionAIはその指示を基により適切なプロンプトを生成する。エンドユーザーは生成されたプロンプトを編集したり、再生成したりすることも可能だ。プロンプトのクリップボードへのコピーや、生成されたプロンプトの一部をFusionAIに書き直させることもできる。FusionAIはプロンプト生成に特化したツールで、API連携機能はなく、GPT以外のモデルでは利用できない。

 FusionAIは無償で利用できる。

TechTarget発 エンジニア虎の巻

米国TechTargetの豊富な記事の中から、開発のノウハウや技術知識など、ITエンジニアの問題解決に役立つ情報を厳選してお届けします。

ITmedia マーケティング新着記事

news061.png

高齢男性はレジ待ちが苦手、女性は待たないためにアプリを活用――アイリッジ調査
実店舗を持つ企業が「アプリでどのようなユーザー体験を提供すべきか」を考えるヒントが...

news193.jpg

IASがブランドセーフティーの計測を拡張 誤報に関するレポートを追加
IASは、ブランドセーフティーと適合性の計測ソリューションを拡張し、誤報とともに広告が...

news047.png

【Googleが公式見解を発表】中古ドメインを絶対に使ってはいけない理由とは?
Googleが中古ドメインの不正利用を禁止を公式に発表しました。その理由や今後の対応につ...