LLM(大規模言語モデル)をベースにしたチャットbotからより良い回答を得るには、より良いプロンプトが必要だ。そのために活用できる「プロンプトエンジニアリングツール」のうち2つを取り上げる。
AI(人工知能)技術が急速に実用化する中で、テキストや画像などを自動生成するAI技術「生成AI」(ジェネレーティブAI)を使いこなすことが重要になりつつある。そのためには、適切なプロンプト(情報生成のための質問や指示)を作成できるようになることが望ましい。エンドユーザーの要望に沿った回答を得るための、より良いプロンプトを作成する設計プロセスを「プロンプトエンジニアリング」と呼ぶ。7つのプロンプトエンジニアリングツールを紹介する本連載において、本稿は3つ目と4つ目を紹介する。
レオ・キング氏が公開している「PromptAppGPT」は、言語モデルを使ったアプリケーションを開発するための、ローコード(ソースコードをほとんど書かない開発手法)プロンプトアプリケーション開発ツールだ。LLMの「GPT」(Generative Pre-trained Transformer)を使って稼働しており、以下の機能を備える。
エンドユーザーはPromptAppGPTを使うことで、OpenAIの「ChatGPT」を組み込んだ自然言語アプリケーション、つまり自然言語による対話型アプリケーションの開発が可能になる。こうした自然言語アプリケーションの例には、LLMの「GPT-4」をベースにしたエージェント(自律プログラム)「Auto-GPT」がある。Webページ検索、画像検索、インターネットのクロール(巡回)、スクリプト(簡易プログラム)言語「JavaScript」で記述されたスクリプトの実行といった機能を、アプリケーションに搭載可能だ。
PromptAppGPTは、ソースコード共有サービス「GitHub」から無償で入手できる。
LLMを研究するワークショップであるBigScience Projectは、自然言語のプロンプトを作成、共有、使用するためのツールキット「PromptSource」を提供している。PromptSourceは約2000個の英文のプロンプトコレクションをデータセットとして有しており、これらのプロンプトはPromptSourceのAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)を通じて利用可能だ。GUI(グラフィカルユーザーインタフェース)ベースのWebページでも使うことができ、プロンプトを作成、確認できる。PromptSourceのテンプレートは、テンプレートエンジン(静的な要素と変数を組み合わせて動的な要素を生成するツール)「Jinja」で作成されている。
PromptSourceはGitHubから無償で入手可能だ。
次回は、5〜7つ目のツールを紹介する。
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