IT業界には幾つもの独特な技術用語やスラングがある。プログラミングにおいて、「アロー関数」「ダイヤモンド演算子」はどのような場合に用いることができるのか。
ソフトウェアエンジニアは、さまざまな記号や用語、文字の組み合わせに、それぞれ独特の名前を付けてきた。IT業界に存在する11個の技術用語とスラングの中から、5つ目と6つ目を解説する。
一部のプログラミング言語では、小規模で名前のない関数である「ラムダ式」にロジックを割り当てるための構文として、「アロー関数」(「=>」または「->」)を採用している。以下はプログラミング言語「C#」でのアロー関数の動作例だ。「SingleArgument」というデリゲート型(関数を格納できる変数型)の変数「sa2」を定義し、「String」型の引数「n」を受け取って「print(n)」を実行する関数を代入している。
SingleArgument sa2 = (String n) => print(n);
プログラミング言語・実行環境「Java」のバージョン5で、データの型に依存しない汎用(はんよう)的な関数やデータ型を記述する「ジェネリクス」が利用可能になった。以下のJavaサンプルプログラムは、ジェネリクスを使用して「ArrayList」クラス(データと処理をまとめた「オブジェクト」の設計図)のインスタンスを生成している。インスタンスは、クラスの設計に沿って生成した実体のことだ。
List<String> list = new ArrayList<String>();
この処理で、「String」型の変数をリスト構造にした「list」という名前のArrayListオブジェクトを生成できる。この場合、Stringを2回指定しなければならないのは冗長的だ。こうしたジェネリクスの冗長性を減らすために、Javaのバージョン7は「ダイヤモンド演算子」(<>)を導入した。
ダイヤモンド演算子は、変数宣言時に左辺で指定するジェネリクスの型を、右辺のジェネリクスの型にコピーする。そのため、開発者はジェネリクスの型をもう一度書く必要がない。ダイヤモンド演算子を使って先ほどの例を書き直すと、以下のようになる。
List<String> list = new ArrayList<>();
次回は、7つ目と8つ目の用語を紹介する。
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