人工知能(AI)技術の利用に関して経営幹部とIT幹部の認識が合わない――。ITベンダーKyndrylの調査で、両者間の複数のギャップが浮き彫りになった。具体的な認識のずれとは何か。
人工知能(AI)技術の利用について経営幹部とIT部門の間にギャップがあることが、ITベンダーKyndrylの調査で分かった。1つ目の認識のずれは、インフラに関する評価だ。同社によると、CEOの42%が、AI技術を本格的に活用するには現在のインフラでは不十分だと考えている。IT幹部では、その割合が16%にとどまった。これ以外にも、他にどのような認識の違いが明らかになったのか。
Kyndrylの調査レポート「People Readiness Report 2025」は日本を含めた8カ国で、CEOやCFO(最高財務責任者)といった経営幹部、CIO(最高情報責任者)やCTO(最高技術責任者)などIT幹部の合計約1100人を対象に実施したものだ。調査期間は2025年2月20日から3月21日だ。
AI技術を効果的に利用するために最も重要な取り組みとして、回答者はAI技術戦略を広範なビジネス目標と整合させることを挙げた。しかしKyndrylによると、それを実現するためのシステム面における課題を、経営層は十分に認識していない。インフラ整備が不十分なことを背景に、「AI技術を事業成長に活用できている企業はほんの一部に過ぎない」と同社は述べる。
Kyndrylの調査によれば、95%の企業がなんらかの形で業務にAI技術を取り入れて、さまざまな作業の自動化や効率化を図っている。一方で、その主な利用目的は「業務プロセスの最適化」が66%を占め、「新しい製品やサービスの開発」は21%にとどまる。「顧客とのやりとり」を挙げた企業はわずか11%だ。
AI技術の利用に対する従業員の受け止め方についても、経営幹部とIT幹部の認識に食い違いがあることが明らかになった。「従業員がAI技術を受け入れている」と回答した経営幹部は45%だったが、IT幹部は73%に上った。
AI技術利用の鍵を握るのは、従業員のスキルだ。AI技術は急速な進化を遂げ、従業員に求められるスキルは目まぐるしく変わっている。Kyndrylによると、リスキリング(再教育)プログラムの実施やAI関連認定資格の取得支援など、従業員のスキル育成がAI技術利用には欠かせない。ところが、同社の調査では回答者の約3割が「自社におけるスキル育成の効果に自信がない」「どのようなスキルが必要かを十分に理解していない」と答えた。Kyndrylはスキル育成の改善が急務だと指摘する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
本記事は制作段階でChatGPT等の生成系AIサービスを利用していますが、文責は編集部に帰属します。
なぜクラウド全盛の今「メインフレーム」が再び脚光を浴びるのか
メインフレームを支える人材の高齢化が進み、企業の基幹IT運用に大きなリスクが迫っている。一方で、メインフレームは再評価の時を迎えている。

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...