「ChatGPT」「Gemini」の“得意分野の違い”をプロンプト4種で比較してみたOpenAIとGoogleの生成AIを比較【第4回】

代表的な生成AIサービス「ChatGPT」「Gemini」が出力するコンテンツには、どのような違いがあるのか。4種類のプロンプトに対するそれぞれの回答を比較した。

2024年04月29日 08時00分 公開
[Dave RaffoTechTarget]

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 テキストや画像を自動生成する「生成AI」(ジェネレーティブAI)を、ビジネスの効率化や顧客体験(CX:カスタマーエクスペリエンス)向上に役立てる企業の動きが進む。代表的な生成AIサービスとして、AIベンダーOpenAIの「ChatGPT」とGoogleの「Gemini」がある。それぞれどのような使い方に向いているのか。

 本稿は、大規模言語モデル(LLM)「GPT-3.5」をベースにしたChatGTPと、LLM「Gemini Pro」をベースにしたGeminiに4種類のプロンプトを投げ、出力された回答を比較した。プロンプトはアイデア出し、コンテンツ作成、計画策定、開発支援の4つのテーマで作成した。

「ChatGPT」と「Gemini」の回答を4つのプロンプトで比較

1.アイデア出し

 アイデア出しでは以下のプロンプトを使用した。

IT担当者が知っておくべき、今最も熱いITトレンドを5つ教えて

 ChatGPTの回答は一般的な内容であったのに対し、Geminiは特定分野を掘り下げる傾向にあった。例えば、ChatGTPの回答は「機械学習(ML)といったAI技術」「サイバーセキュリティ」なのに対し、Geminiは「生成AI」「サイバーセキュリティメッシュ」(境界を人や物のIDを中心に構築する分散型アーキテクチャ)といった具合だ。

 GPT-3.5の教師データは2021年9月に最終更新されたもののため、最新トレンドの紹介はできなかった。Geminiは5つの回答に加えて、さらに追加のトレンドを紹介してくれた。

画像 図1 ChatGPTの回答《クリックで拡大》

画像 図2 Geminiの回答《クリックで拡大》

2.コンテンツ作成

 コンテンツ作成では以下のプロンプトを使用した。

サイバーレジリエンシー(障害復元性)の課題について、2段落でまとめて

 ChatGPTもGeminiも、サイバーレジリエンシーという複雑なトピックを2段落でうまく要約し、説明できた。特にGeminiは、課題と対策についてChatGPTよりも具体的に解説してくれた。

画像 図3 ChatGPTの回答《クリックで拡大》

画像 図4 Geminiの回答《クリックで拡大》

3.計画策定

 計画策定では以下のプロンプトを使用した。

クラウドコンピューティングについてのカンファレンスに参加するなら、どのカンファレンスがお薦め?

 ChatGPTはGeminiよりも多くのカンファレンスを挙げてくれたが、そのうち幾つかのカンファレンスは2021年9月以降に名称を変更していた。Geminiはカンファレンスの情報をより詳細に説明してくれた他、分野ごとに大別して提示してくれた。

画像 図5 ChatGPTの回答《クリックで拡大》

画像 図6 Geminiの回答《クリックで拡大》

4.開発支援

 開発支援では以下のプロンプトを使用した。

「PostgreSQL」へのクエリでよく使われるSQLクエリを10個挙げて

 PostgreSQLは、代表的なオープンソースのRDBMS(リレーショナルデータベース管理システム)だ。ChatGPTとGeminiが出力したSQLクエリのリストは似ていたが、幾つかの用語が異なっていた。注目すべきは、どちらも回答にソースコードが埋め込まれていた点だ。

 画像ではGeminiの回答を1ページに収まるように短縮しているが(図8)、元のバージョンには埋め込みコードが含まれている。

画像 図7 ChatGPTの回答《クリックで拡大》

画像 図8 Geminiの回答《クリックで拡大》

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