仕事で使用するスマートフォンには、機密データが保存されている。それを正しく消去しなければ廃棄時に流出する懸念がある。データを確実に消去する方法とは。
従業員はビジネスデータだけではなく、連絡先や個人データなどの重要な情報をスマートフォンに保存している。これらのデータが流出するリスクを抑えるために、スマートフォンを手放す際にはきちんとデータを消去しなければならない。ただし適切な手順を踏まずに不完全な消去を実行すると、データが残ってしまう危険性もある。古いスマートフォンからデータを確実に消去するには、何をすべきなのか。
IT管理者は、処分する前のスマートフォンからデータを完全に消去する必要がある。スマートフォンに保存されている全データを消去し、SIMカードやメモリカードが入っていたら抜いておく。
セキュリティガイドラインや規格などが定めたデータ消去プロセスに従うことも重要だ。機密情報を扱っていたスマートフォンを廃棄する場合は、認定を受けたデータ破棄サービスの利用を検討しよう。そうしたサービスを使うと、スマートフォンをエンドポイント管理ツールの対象から排除して、企業の管理下から除外できる。この処理をしておけば、仮にスマートフォンを適切にリセットできなかったとしても、第三者がそのスマートフォンを通じてメールなどの社内サービスにアクセスすることはできなくなる。
スマートフォンをリサイクルに出す前に個人データを削除することの重要性を、従業員に教育することも必要だ。こうしたセキュリティ対策は、リサイクルや再利用のプロセスでデータ漏えいやデータ損失が発生するのを防ぐ上で欠かせない。従業員がスマートフォンに個人データを保存していた場合は、データを別の場所にバックアップしてから、スマートフォン内のデータを消去する方法を分かりやすく指示する必要もある。従業員が新しいスマートフォンを使い始める前に、スマートフォンやOSのベンダーが提供するバックアップ機能を使うのも手だ。
スマートフォンから連絡先、テキストメッセージ、写真、動画、検索履歴などのデータや情報を消去するには、OSのデータ消去機能を使用できる。「iOS」と「Android」は、デバイスを工場出荷時の状態に戻す手順を提供している。
後編は、スマートフォンをリサイクルする方法を解説する。
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