不要な業務用端末を廃棄するときは、できる限りリサイクルを選択することが企業経営にも良い影響を与える。それはなぜか。適切な廃棄プロセスとリサイクル戦略を策定するためのヒントを説明する。
企業でPCやスマートフォンを購入して利用するときは、調達だけでなく、「廃棄」に関しても適切な計画を立てることが必要になる。業務用端末を不適切な手法で廃棄すると、環境破壊に加えて法令違反のリスクが生じる。業務用端末が不要になったときは、単純に廃棄するのではなく、できる限りリサイクルを選択すべきだ。それには明確な理由と利点がある。
前編に引き続き、リサイクルを選択すべき理由を4つのポイントに分けて解説する。
業務用端末のデータ漏えいリスクは、使用寿命が終わっても依然として残る。端末が使用寿命を迎えても、機密データが残っていることもあるためだ。IT管理者は端末の廃棄プロセス全体でデータセキュリティとコンプライアンスを維持するために、適切な手順を踏む必要がある。
業務用端末を単純に廃棄するだけでは、データ漏えいのリスクを抑制できない。IT管理者はリサイクルのルールを立てることを通して、正しい方法でデータを確実に破棄できるようにする必要がある。電子機器の処分業者やリサイクルサービスを利用することも選択肢の一つだ。端末の各部品のリサイクルや廃棄の方法を明確にすることで、適切に破棄されない可能性があるデータや再利用可能なハードウェアが明らかになる。
リサイクルは企業のコスト削減にも貢献する。業務用端末の再利用や再販により、企業は収益を向上させられる。まだ機能している部品だけではなく、機能していない部品にもレアメタルなどの有用な原材料が含まれているため、処分業者によって価値が付く可能性がある。
企業の環境保護や持続可能性への取り組みは、消費者や就職希望者が企業を選ぶ際に考慮に入れる要素の一つだ。消費者は自分の価値観と一致するブランドを支持する。企業はリサイクルに積極的に取り組むことで、環境への影響を考慮して事業活動を実施していることを示せる。
企業は、環境保護に取り組んでいるように見せかけて実態が伴っていないことを表す「グリーンウォッシング」を避け、持続可能性を高めるための積極的な行動を取ることが必要だ。業務用端末のリサイクル戦略を立てることは、グリーンウォッシングを起こさずに、環境への影響を抑える方法の一つだ。
リサイクルは循環型経済を実現するための重要な要素だ。企業の廃棄物の削減と、資源の節約を可能にする。リサイクルされた素材を処理し、再利用することは、新製品の生産に比べてエネルギー消費を削減する。
業務用端末の管理プロセスで持続可能性を高めるには、端末の廃棄以外のプロセスにも取り組む必要がある。ITチームは炭素排出量が少ない業務用端末を選択し、必要以上の端末を調達せず、端末の寿命を延ばすことが求められる。業務用端末のリサイクルの利点を最大限に生かすためには、IT管理の全てのプロセスに持続可能性を組み込むことが不可欠だ。
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