Microsoftの「Copilot for Service」と「Copilot for Sales」は、業務アプリケーションの操作や検索を生成AIで支援するサービスだ。Copilotは、エンドユーザーの業務アプリケーションの使い方をどう変えるのか。
「Microsoft Copilot for Service」(以下、Copilot for Service)と「Microsoft Copilot for Sales」(以下、Copilot for Sales)は、AI(人工知能)アシスタント「Microsoft Copilot」(以下、Copilot)を搭載する。ユーザー企業はこれらのサービスで、テキストや画像を自動生成するAI技術「生成AI」(ジェネレーティブAI)の機能を活用できる。Copilot for Service はコンタクトセンター向け、Copilot for SalesはCRM(顧客関係管理)向けだ。
こうしてCopilotを搭載することで、Microsoftの製品やサービスは従来とは異なるものになるとアナリストは見ている。エンドユーザーの業務はどう変わるのか。
Copilot for ServiceとCopilot for Serviceは、エンドユーザーが自然言語で質問を入力すると、さまざまな業務アプリケーションにある情報を参照し、回答として必要な情報を提示する。SalesforceやServiceNow、Zendeskといったサードパーティーベンダーが提供する業務アプリケーションと組み合わせて利用することが可能だ。
Microsoftでビジネスアプリケーションマーケティングのコーポレートバイスプレジデントを務めるエミリー・ホー氏は次のように語る。「生成AIの実用化が進む中で、ユーザー企業の営業部門や顧客サービス部門が情報を扱う方法が見直されており、業務フローが変化しつつある」
CRMやコンタクトセンターシステムでは一般的に、エンドユーザーがホーム画面にログインして、ホーム画面に表形式で表示されるデータやリンクの中から目当ての情報を探して、他のページにアクセスするという作業が必要になる。このインタフェースを変えるのがCopilotだ。「システムにデータを手入力したり、クリックしたりせずに、自然言語を使ってCopilotから適切な情報を取得できるようになる」(ホー氏)
Copilotによって、エンドユーザーは仕事のツールを新しい方法で操作可能になる。Microsoftは、特に業務アプリケーションでデータを検索するときのユーザー体験が向上すると説明する。「Copilotはより直感的なユーザーエクスペリエンスを従業員にもたらすだけでなく、データへのアクセス方法や、人とテクノロジーとの関係を根本的に変える」とホー氏は述べる。
エンドユーザーがCopilotを役立てるには、Copilotを繰り返し使用して、自身の業務内容に必要な情報を学習させる必要がある。「入社したばかりの従業員を育てるには、さまざまなフィードバックを提供する必要があるのと同じだ」とホー氏は話す。
単純なデータベース検索やWebの検索エンジンでは、1つの単語や単純な文章を使って検索する。Copilotを使った検索は、こうした手法とは異なる発想に基づく。「エンドユーザーは従来の検索手法に慣れているため、1回の検索結果が唯一の回答だと考えてしまう。Copilotと繰り返し対話して、正しい回答を導き出すという作業を思い付かない傾向にある」(ホー氏)
Microsoftは、同社の各種製品の操作性を直感的かつスムーズにするために、生成AIを生かそうとしている。この考え方を表すサービスの一つがCopilot for ServiceとCopilot for Salesだ。「MicrosoftはCopilotを、オフィススイート『Microsoft 365』のどのサービスでも利用できるように開発を進めている。Microsoft 365の検索性と生産性の向上が目的だ」。アナリストのダン・ミラー氏はこう説明する。
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