中古品や廃品となったIT機器を修理して再び利用する動きが活発化している。これに伴い、同市場が抱える“ある問題”を解消する取り組みも進み始めた。専門家に話を聞いた。
PCやスマートフォン(スマホ)の中古品や、廃品を修理した再生PCの市場が活発化している。調査会社Gartnerでバイスプレジデントを務めるアナリストのアネット・ジマーマン氏によると、動きは今後大きくなる可能性がある。ジマーマン氏は、再利用(リユース)を想定したIT機器の潮流や、企業が知っておくべき点を説明する。
一般的な個人消費者は、「eBay」といった通販サイトで「iPhone」や「Android」の中古スマホを探す。この場合、安全性の確保は簡単ではない。企業がIT機器をリユースする場合、提供元が安全性を保証していることが望ましいとジマーマン氏は語る。安全性の保証されたIT機器を入手できるかどうかが、企業にとっての最初のハードルになる。
IT機器のリユースを本格的に推進するためには、そのためのプログラムの確立や制度の整備が必要になる。この問題に、英国規格協会(BSI:British Standards Institution)が取り組んでいる。同協会は、製品が一定の性能や安全性を満たしていることを証明するマーク「BSI Kitemark」の認証機関だ。
リユースのIT機器を販売する企業は、その商品が新品と同等の性能を有していることを保証する基準「BS 8887」を満たすことで、BSI Kitemarkを取得できる。
英国のRoyal Mint(王立造幣局)は2022年8月、再生PCの販売を手掛けるCircular Computingと契約を締結。BSI Kitemarkを取得したLenovo製再生ノートPCを、Circular Computingから提供してもらう。
Royal MintのIT運用責任者を務めるサイモン・エドワーズ氏によると、持続可能性(サステナビリティ)は同局の長期計画の中核を成す。同局の技術部門は、サステナビリティを考慮したノートPCを職員に提供するというミッションを持つ。Royal MintはCircular Computingから再生ノートPCを調達してトライアルを実施し、自組織のミッションを達成できるかどうかを確かめる。
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