米フロリダ州のマナティー学区は、2016年にERP製品導入プロジェクトを発足させたものの、予算が当初の2.5倍以上の2600万ドルにまで膨れ上がった。トラブルの根本にはカスタマイズがあったという。
ERP(統合業務)製品導入プロジェクトは、コストが超過したり、スケジュールが遅れたり、トラブルが起きたりすることがしばしばある。米フロリダ州のマナティー学区も例外ではない。同学区のERP製品導入プロジェクト予算は当初約1000万ドルだった。それが2600万ドルへと膨れ上がった。変更の指示、プロジェクトの人材不足、意思決定の遅れ、カスタマイズといった要素全てが、コスト超過に影響した。
プロジェクトの破綻は、導入予定だったOracleのERP製品「PeopleSoft」のトレーニングを除いて、ほぼ全域で生じた。ERP製品を評価するためにマナティー学区が雇ったコンサルタントは、PeopleSoftに携わる人材の育成を担当したベンダーについて「素晴らしい仕事をした」と称賛した。だが、その評価も長続きはしなかった。
マナティー学区のERP製品導入プロジェクトは2016年に始まった。比較的厳しいスケジュールではあったものの、2017年の稼働開始予定日に間に合うように、ERP製品のトレーニングを完了させた。ところが稼働開始が2018年7月に延期となった。そのため稼働までの間、トレーニング内容は受講者の記憶から少しずつ薄れていった。「その後、補強のトレーニングを実施することはなく、結果としてトレーニングが無駄になってしまった」と同学区のコンサルタントは報告している。同学区内には61校の学校があり、生徒数は5万人近くに及ぶ。
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