教職員全員に1人1台のiPadを配備した桜丘中学・高等学校では、職員自ら開発したアプリケーションを現場の課題解決に生かしている。その実態とは?
教育機関での「タブレット1人1台環境」といえば、学習者向けの端末整備が注目を集めがちだ。一方で、教員向けにもタブレットを1人1台整備し、校務効率化に生かそうとする動きもある。ただし現状では、教員同士の情報共有の円滑化やペーパーレス化といった用途にとどまっており、幅広い校務の効率化に1人1台環境を生かせているところは極めて少ない。
教員の1人1台環境を、もっとアクティブに校務効率化に生かせないだろうか。こうした問題意識を基に、全教員に配布した米Appleのタブレット「iPad」と、職員が自前(インハウス)で開発したアプリケーションを積極的に活用している教育機関がある。共学の私立中高一貫校、桜丘中学・高等学校(東京都北区)がそれだ。
2013年度に、全60人の教職員に対してiPadを配備した桜丘中学・高校。併せてファイルメーカーのデータベースアプリケーション開発ツール「FileMaker Pro」を導入し、学校公開の受け付けや入学試験などの校務に特化したアプリケーションをインハウスで開発した。これらのアプリケーションを全教職員のiPadからアクセス可能にして、校務全体の効率化に役立てている。
桜丘中学・高校がインハウス開発を選んだのはなぜか。インハウス開発の具体的なメリットとは。桜丘中学・高校の入試担当専門委員でシステム構築・管理を担当する西岡朱里氏と、同校の品田 健 副校長に聞いた。
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