LenovoのノートPC「ThinkPad T480」の再生品を導入した、英国の王立造幣局。なぜ新品ではなく再生品を導入したのか。その背景には、ある重要な目的があった。
ノートPCにも「セカンドライフ」(再利用シーン)がある――。英国のRoyal Mint(王立造幣局)は、再生ノートPCの販売を手掛けるCircular Computingから、販売が終了しているLenovoのノートPC「ThinkPad T480」を調達し、導入した。再生ノートPCとは、廃品を修理して再び販売・利用するノートPCを指す。
英国の硬貨製造を担う国有企業であるRoyal Mintは、近年は「脱炭素」(二酸化炭素=CO2の排出量削減の取り組み)に注力している。今回導入した再生ノートPCは新しく製造する必要がないため、製造工程におけるCO2排出が発生しない。Royal MintのIT部門は、持続可能性推進の重要なステップとして、再生ノートPCの導入を位置付けている。
Royal MintのIT運用責任者を務めるサイモン・エドワーズ氏によれば、持続可能性は同社の長期的なビジネス戦略の中核となる。IT部門としてはノートPCをはじめとしたハードウェアを調達する際に、持続可能性を製品選定の基準にしているという。今回はCircular Computingが販売する再生品のThinkPad T480が、新品と同様の仕様要件を満たしていることを確認し、保証サービス付きで導入を決めたとエドワーズ氏は説明する。
Circular Computingは同社が取り扱う再生ノートPCを「セカンドライフノートPC」と呼ぶ。Circular Computingの再生ノートPCは英国規格協会(BSI:British Standards Institution)から、新品と同等であることを証明するマーク「BSI Kitemark」を取得しているという。BSI Kitemarkは製品を再利用可能にするためのプロセスを検証し、品質面で問題がないことを保証する。
Royal Mintは、再生ノートPC導入の第1フェーズで約70台を入れた。2022年後半には追加の導入を計画している。同社で持続可能性とESG(環境・社会・企業統治)責任者を務めるインガ・ドーク氏は「再生ノートPCを採用する取り組みを段階的に広げたい」と述べる。Royal MintはCircular Computingをはじめとした外部パートナーと手を組み、持続可能性の追求によってビジネスでの優位性を図るとドーク氏は言う。
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