ビジネス向けのノートPC「ThinkPad Xシリーズ」の最新かつ最小モデル「ThinkPad X270」。同サイズのノートPCの中では安価とはいえないモデルだが、価格相応の実力はあるのだろうか。
Lenovoがビジネス向けのノートPCとして販売している「ThinkPad Xシリーズ」は、長きにわたって小型、頑丈な筐体、優秀なキーボード、長いバッテリー持続時間を特徴とすることで知られている。12.5インチの「ThinkPad X270」は、このシリーズの最新かつ最小モデルだ。800ドル弱という最低価格は安価とはいえないが、同じサイズのノートPCにはあまり搭載されていないビジネスクラスの各種機能が搭載されている。
TechTargetがレビューに使用したThinkPad X270のモデルでは、ほとんどのパーツで最高のものが選ばれている。そのため、価格は1627ドルと高額だ。ただし、もっと安価な構成でも、ThinkPad X270が優れた製品であることに変わりはないように感じた。では、詳しく見ていこう。
ThinkPad X270は、TechTargetが2016年にレビューした前モデルの「ThinkPad X260」と物理的に同じであるも同然だ。事実、ThinkPad X270の外観と操作性は、TechTargetが過去にレビューしたハイエンドのThinkPad Xシリーズと「ThinkPad Tシリーズ」のノートPCの大半とほぼ変わらない。これは非難すべき点にはならないが、ThinkPad X270のデザインは、古くてつまらないように思えるかもしれない。だが、TechTargetは、この完全なビジネス仕様が気に入っている。というのも、ThinkPad X270は形より機能を優先したノートPCの好例だからだ。
ThinkPad X270は、第一に持ち運びに適した耐久性を念頭に設計されている。Lenovoによると、ThinkPad X270は軍用規格の認定試験の12項目に準拠しているという。TechTargetでは、その試験項目を再現していないが、それでもThinkPad X270は頑丈で、本体の素材は日常的な持ち運びに問題なく耐えられるものであると感じた。ThinkPad X270の全体的な構造品質と仕上がりは、一般的な全面プラスチック製の一般消費者向けノートPCを大きく上回るものになっている。
ThinkPad X270の外側は、厚みのあるプラスチック製だが、内部には筐体が湾曲しないようにする金属製の支持構造がある。カバーの作りもしっかりしており、水平方向の動きはほとんどない。それから、ディスプレイのヒンジによって、カバーが180度まで開ける点も高く評価している。ただし、ヒンジは固く、カバーを空けるには両手を使う必要がある。
本体のサイズは、305.5×208.5ミリ(幅×奥行き)と、12.5インチノートPCとしては標準的である。ディスプレイ周囲のベゼルも平均的なサイズだ。ただし、「Lenovo Yoga 720」など、現在市場に出回っているほぼベゼルレスなノートPCほど、モダンな印象は受けない。最低重量は1.32キロで(3セルリアバッテリー搭載モデル)、このサイズのノートPCとしては重い部類に入る。
高さは20.3ミリと、小型の12.5インチノートPCとしては厚みがある。例えば、超薄型ノートPCである「Lenovo ThinkPad X1 Carbon」(2017年/第5世代)は、14インチのディスプレイを搭載しているにもかかわらず、高さはたった15.95ミリだ。ただし、ThinkPad X270の厚みには理由がある。厚みを持たせたことで幾つかのメリットが生まれている。1つは、従来のスナップイン型ドッキングソリューションのサポートだ。また、メモリの取り外しも可能になっている。ただし、DIMMスロットは1つしかない。さらに良いのは、リアバッテリーを交換できることだろう。それから、今日の超軽量ノートPCではほとんど見られなくなっている2.5インチのドライブベイが用意されている。なお、上述のメリットは、どれもThinkPad X1 Carbon(2017年/第5世代)では得られない。
バッテリーは2つ搭載されている。筐体の手前には小型の3セルバッテリーが内蔵されているが、リアバッテリーはすぐに交換可能だ。標準の選択肢は筐体にぴったり収まる3セルのリアバッテリーだが、円筒型の6セルバッテリー(72Wh)を選択することもできる。6セルバッテリーを選択すると、ThinkPad X270後部の高さは、31.24ミリになる。6セルバッテリーによって得られる追加のバッテリー持続時間を考えると、多少の持ち運びにくさは相殺されるかもしれない。詳細については、「バッテリー持続時間」を参照されたい。
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