企業内のデータ量増加に伴い、バックアップは複雑化する傾向にある。フランスの産業機器メーカーClaugerはバックアップシステムを刷新するため、Cohesityの製品を採用した。導入の決め手とは。
フランスの産業用冷凍冷蔵機器メーカーClaugerは、社内のデータ量増加によるバックアップの複雑化という問題を抱えていた。2018年以降、同社のデータ量は許容限度に達し、従来使用してきたバックアップシステムに障害が起きるようになっていたという。
Claugerはより効率的なバックアップシステムに置き換える時期だと考え、システムインテグレーターやベンダー約20社に接触。10社から提案や回答を受け取った。そのうちの1社がバックアップツールベンダーのCohesityだった。
Claugerによると、Cohesityが提案したバックアップシステムには興味深い点が2つあった。1つ目は、それがハードウェアとソフトウェアを一括提供するアプライアンスの形態を取っていたことだ。
「当時はCohesityについて知らなかったが、提案を受けて強く関心を持った」とClaugerでIT部門責任者を務めるオリビエ・ボウティ氏は語る。Cohesityのバックアップシステムは、ClaugerがVMwareのVM(仮想マシン)群を動かすために利用するハイパーコンバージドインフラ(HCI)と同じ原理を採用していたためだ。「Cohesityのノードを追加するだけで容量を増やすことができた」(ボウティ氏)
Cohesityのバックアップシステムに関するもう一つの興味深い点は、同システムがバックアップ用だけではなく、NAS(ネットワーク接続ストレージ)の筐体(きょうたい)としても機能する点だ。当時、ClaugerはサーバOS「Windows Server」を搭載するサーバを更改する必要に迫られていたため、一石二鳥だったという。
しかし、ボウティ氏によるとこの発想は少々やみくもだった。Claugerは当初、Cohesityのバックアップシステムが説明通り機能するかどうか確信を持てなかった。Cohesityのスタッフがフランスを訪れる機会は当時ほぼ無く、製品を詳細まで把握することが難しかったからだ。そこでClaugerは、Cohesityの製品ユーザーに接触して使用体験談を聞き、その後2カ月かけて概念実証(PoC)を実施した。
ボウティ氏はこのPoCの結果を高く評価した。例えば、以前ならバックアップの構成に30分以上の時間を要したが、Cohesityのバックアップシステムを使用すれば数分で完了できるようになった。加えて、同システムはバックアップ実施後にレポートを出力するため、従業員がバックアップ成否を確認する作業が不要となった。
他にもClaugerは、Cohesityのバックアップシステムについて以下の点を評価し、導入を決定した。
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