企業内のデータ量は増加する傾向にあり、それに伴いバックアップの複雑化が問題となっている。同様の問題を抱えていた、フランスの産業機器メーカーClaugerの事例を解説する。
企業におけるバックアップは年々複雑化する傾向にある。企業のデータ量が増大するにつれて、その傾向は深刻になる。
同様の問題を抱えていたのが、フランスの産業用冷凍冷蔵機器メーカーClaugerだ。同社は社内のデータ量が、2022年から2024年にかけて最大で年率25%のペースで増加を続けると予測。同社はデータ量の増加に対処するため、バックアップシステムを刷新した。
Claugerが新しく採用したのは、バックアップツールベンダーCohesityが提供するバックアップシステムだ。Claugerはシステム刷新により以下を実現した。
ClaugerでIT部門責任者を務めるオリビエ・ボウティ氏は、同社は従来3つの異なるバックアップシステムを利用していたと話す。システム老朽化に伴う弱点を補うため、新しいシステムの導入を繰り返してきた結果、3つになったという。
メンテナンス業務のうち特に手間が掛かるのが、夜間に実行したバックアップが問題なく完了したのかどうかを毎朝確認する作業だった。「バックアップを用意する主な理由は、従業員が誤ってファイルを削除した場合にデータを復元するためだった」とボウティ氏は語る。Claugerのフランス拠点で働く1500人以上の従業員に加えて、スペインやイタリア、モロッコ、アルジェリアにある子会社の従業員が共通のデータセンターを利用する。従業員がデータを誤って削除することは頻繁にあり、毎週のように復元作業が必要だった。
Claugerでは、復元作業はまず復元対象のファイルを見つけるところから始まる。従来同社の従業員は、ファイルの正確な保存場所と保存時間を把握していない場合、膨大な時間を費やし、手探りでファイルを探し出してきたという。
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