業界標準を狙うフレームワークが登場
データセンターの環境対策 持続可能性を高める“5つの指標”とは?
データセンターの持続可能性を高めるためのフレームワークをSchneider Electricが発表した。環境対策がより強く求められるようになっていることが背景にある。フレームワークは具体的にどのような内容なのか。
電機メーカーのSchneider Electricは、データセンターの持続可能性(サステナビリティ)を高めるためのフレームワーク(理論的枠組み)を公開した。このフレームワークの狙いはデータセンター運営をより環境に配慮したものにすることだ。こうした試みはデータセンター業界では極めて珍しい。
データセンターに迫られる環境対策と、持続可能性の高め方
データセンターが環境に与える影響について、政府や環境規制当局、ロビイスト(特定の目的のために政府に働きかける人)が厳しい目を向けるようになった。そうした中で、近年はさまざまな事業者が消費電力削減やネットゼロカーボン(二酸化炭素=CO2排出量が実質的にゼロの状態)に向けた目標を発表している。
2021年には、25社以上のデータセンター事業者やクラウドサービス事業者、業界団体が、CO2排出の削減に取り組むための協定「Climate Neutral Data Centre Pact」(CNDCP)を共同で発表した。一方でSchneider Electricによると、データセンター事業者の多くは自社データセンター施設の環境対策に関する専門知識を持ち合わせていない。「持続可能性の観点で扱うべき数々の指標群にお手上げ状態」だという。
Schneider Electricによるデータセンターの持続可能なフレームワークは、具体的には下記の5分野を扱う。いずれも測定可能な数値を設定して、目標の達成に向けて監視する。
- 施設のエネルギー消費
- 温室効果ガスの発生状況
- 水の消費傾向
- 施設の建設・運用で発生する廃棄物の量
- 生物多様性への影響
「当社が開発したのは、データセンターの事業者や業界の指針となる標準的な測定基準を備えた、包括的なフレームワークだ」。Schneider Electricセキュアパワー事業部のエグゼクティブバイスプレジデントを務めるパンカジ・シャルマ氏はこう述べる。特に意図したのはベンチマーク(基準)を改善することと、それによって将来の世代のために天然資源を保護し、環境の持続可能性を進展させることだという。
調査会社IDCのデータセンターおよびサポートサービス担当のプログラムバイスプレジデントであるロブ・ブラザーズ氏は、「Schneider Electricのフレームワークはデータセンター事業者による環境保全活動を広く支援するだろう」と語る。
ブラザーズ氏によれば、データセンター業界はエネルギー効率の向上において大きな進歩を遂げてきた。だがデジタル化の需要増大に伴い、持続可能性に関する長期的かつ広範な取り組みが必要だ。データセンターには技術面の改善による運用効率の向上だけではなく、水や土地の資源、生物の多様性などを含めて持続可能性につながる取り組みが求められる。同氏はこうした取り組みに、明快で一貫性のある測定基準の確立が役立つと述べる。
Computer Weekly発 世界に学ぶIT導入・活用術
米国TechTargetが運営する英国Computer Weeklyの豊富な記事の中から、海外企業のIT製
品導入事例や業種別のIT活用トレンドを厳選してお届けします。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
TechTarget発 先取りITトレンド
米国TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品資料
[サイボウズ株式会社] 調達業務向け「kintone×AI」活用術:味の素ファインテクノの事例も紹介 -
事例
[サイボウズ株式会社] 「DX人材育成」事例集:ノーコード開発ツールで実践する現場業務改革 -
製品資料
[サイボウズ株式会社] 生成AIを本当に使える武器にする、営業現場の「kintone×AI」活用シナリオ9選 -
製品資料
[サイボウズ株式会社] Fit to Standardのさらに先へ 「EPR×kintone」で実現する脱レガシーシステム -
製品資料
[SB C&S株式会社] 検証レポート:「Everpure」「Nutanix」「Cisco」の3Tier構成は選択肢となるか
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
Microsoft 365導入後も稟議は「Excelをメールで回覧」 承認が止まる理由
-
2
「Copilot」はなぜ放置される? “議事録要約止まり”を脱する処方箋
-
3
生成AIツールは「4種類以上」の利用でユーザーの不満が急増する
-
4
米国防総省で300万人分の個人情報が流出 その「意外な原因」と教訓
-
5
「Wi-Fi 7」経由でWindowsが乗っ取られる? 最高権限奪取の恐怖
-
6
金融・通信で情報漏えいが続出 IPAとJPCERT/CCが情シスに求める緊急点検
-
7
Microsoft製品でここまで自動化できる 情シスがやめられる手作業10選
-
8
入力エラー頻発の申請業務 KDDIが“改修ゼロ”で誤り率を10分の1にした手法
-
9
「VMware離れ」は本当か 3000社がVCF 9にかじを切った現実的な理由
-
10
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
AI駆動攻撃にどう対抗する? 超速の攻撃からエンドポイントを保護する方法
-
2
Microsoft 365のメールセキュリティ、3つの“死角”と追加で検討すべき対策とは
-
3
家庭用Wi-Fiルーターの業務利用は危険? 避けるべき理由と具体的な対策
-
4
最速72分でデータが流出? 最新の脅威トレンドや侵入手法から分かった防衛策
-
5
「IT史に名を残すシステム障害」8選
-
6
不審メールの経路や見せ方に変化? 2026年夏の3事例から見えた動向と対処方法
-
7
マンガで学ぶXDR/MDRのメリット、中小企業のセキュリティ強化になぜ有効か?
-
8
SASE選定は「見極め力」で大きな差――本当に必要な製品を選ぶための6つの視点
-
9
Wi-Fi 7はまだ導入しなくてよい? AI時代の企業ネットワーク戦略、次の一手は
-
10
脱VMwareに成功した企業は何をどう実践した? 事例に学ぶ戦略立案&実装のコツ
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー