データセンターの持続可能性を高めるためのフレームワークをSchneider Electricが発表した。環境対策がより強く求められるようになっていることが背景にある。フレームワークは具体的にどのような内容なのか。
電機メーカーのSchneider Electricは、データセンターの持続可能性(サステナビリティ)を高めるためのフレームワーク(理論的枠組み)を公開した。このフレームワークの狙いはデータセンター運営をより環境に配慮したものにすることだ。こうした試みはデータセンター業界では極めて珍しい。
データセンターが環境に与える影響について、政府や環境規制当局、ロビイスト(特定の目的のために政府に働きかける人)が厳しい目を向けるようになった。そうした中で、近年はさまざまな事業者が消費電力削減やネットゼロカーボン(二酸化炭素=CO2排出量が実質的にゼロの状態)に向けた目標を発表している。
2021年には、25社以上のデータセンター事業者やクラウドサービス事業者、業界団体が、CO2排出の削減に取り組むための協定「Climate Neutral Data Centre Pact」(CNDCP)を共同で発表した。一方でSchneider Electricによると、データセンター事業者の多くは自社データセンター施設の環境対策に関する専門知識を持ち合わせていない。「持続可能性の観点で扱うべき数々の指標群にお手上げ状態」だという。
Schneider Electricによるデータセンターの持続可能なフレームワークは、具体的には下記の5分野を扱う。いずれも測定可能な数値を設定して、目標の達成に向けて監視する。
「当社が開発したのは、データセンターの事業者や業界の指針となる標準的な測定基準を備えた、包括的なフレームワークだ」。Schneider Electricセキュアパワー事業部のエグゼクティブバイスプレジデントを務めるパンカジ・シャルマ氏はこう述べる。特に意図したのはベンチマーク(基準)を改善することと、それによって将来の世代のために天然資源を保護し、環境の持続可能性を進展させることだという。
調査会社IDCのデータセンターおよびサポートサービス担当のプログラムバイスプレジデントであるロブ・ブラザーズ氏は、「Schneider Electricのフレームワークはデータセンター事業者による環境保全活動を広く支援するだろう」と語る。
ブラザーズ氏によれば、データセンター業界はエネルギー効率の向上において大きな進歩を遂げてきた。だがデジタル化の需要増大に伴い、持続可能性に関する長期的かつ広範な取り組みが必要だ。データセンターには技術面の改善による運用効率の向上だけではなく、水や土地の資源、生物の多様性などを含めて持続可能性につながる取り組みが求められる。同氏はこうした取り組みに、明快で一貫性のある測定基準の確立が役立つと述べる。
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