スマートフォンなどモバイルデバイスを業務用に使用する場合は、どのような点を比較してモバイルデバイスを購入すればいいのか。候補となるモバイルデバイスの種類と併せてポイントを紹介する。
スマートフォンをはじめとしたモバイルデバイスの進化や、働き方の多様化といった変化が見られる中で、企業が業務用のモバイルデバイスを導入することは珍しいことではなくなった。業務用のモバイルデバイスを選ぶ際は、業務に適したモバイルデバイスがどれなのかを慎重に検討する必要がある。
Appleの「iPhone」や、GoogleのモバイルOS「Android」搭載スマートフォンといったさまざまなデバイスが候補になる点は、コンシューマー向けのスマートフォンを選定する場合の選択肢と大きく変わらない。ただし業務用として利用するに当たって検討しなければならない点も幾つかある。具体的にはどういった種類のモバイルデバイスを候補にして、何を比較の評価ポイントにして検討すればいいのか。
事務職や管理職、営業職の日常業務においては、iPhoneやAndroidデバイスが使える。消費者向けとしても販売されているそうしたモバイルデバイスは、ベンダーの直営店や家電量販店、通信事業者などから購入できる。
企業のIT担当者や経営者は、モバイルデバイスにどのような特徴や機能が必要なのかを検討する必要がある。OSの更新やセキュリティ対策、モバイルデバイスのライフサイクル管理を適切に実施するための計画を立てる必要もある。企業がモバイルデバイスを購入する場合に避けた方がよいのは、ベンダーのサポート期間が1年間などと短く、セキュリティの脅威にさらされやすい古い機種を購入することだ。
Appleは、自社製品の保守サポートを比較的長期間にわたって提供してきた実績がある。iPhoneシリーズの修理サービスが提供される期間は、生産終了からおよそ5年だ。Androidデバイスは、更新可能なOSやパッチ(修正プログラム)のバージョンがベンダーやデバイスによって異なる場合がある。Googleの企業向けスマートフォンの認定制度「Android Enterprise Recommended」(AER)の認定デバイスは、業務利用に適していることがGoogleによって保証されており、デバイスのセキュリティアップデートが可能な期間などの仕様を満たしている。
過酷な現場でのバーコードスキャンといった特殊な目的のためにモバイルデバイスを必要とする場合、高耐久性デバイスの方が適している可能性がある。高耐久性デバイスは、一般的には業務利用を想定して設計されており、業務で必要になるさまざまな機能を搭載している。内蔵式バーコードスキャナーや、特定の機能を割り当てられるボタン、落下や高温といったダメージに耐える頑丈さなどがその一例だ。高耐久性デバイスには、電源を落とさずに連続稼働を必要とするデバイス向けのホットスワップ対応バッテリー(デバイスに給電しながら交換可能なバッテリー)といった付属品もあることが珍しくない。一般的な高耐久性デバイスのベンダーには、Zebra TechnologiesやHoneywell International、Datalogic、Spectralinkなどがある。
一部の消費者向けモバイルデバイスは、高耐久のスマートフォンケースといった周辺アクセサリーやソフトウェアを追加で導入することで、高耐久性デバイスと同じ機能を実現できる。Aila Technologiesのアプリケーション「SoftScan」を使うと、一般的なスマートフォンやタブレットの内蔵カメラで、1次元または2次元バーコードをスキャンできるようになる。
必要な機能や性能に合わせたモバイルデバイスを選択したら、モバイルデバイスを管理するためのツールを選択する必要がある。モバイルデバイスの管理には、プロビジョニング(配備)とセットアップの自動化、デバイスとデータのアクセス権限の管理、デバイスの更新とセキュリティの維持などの作業が含まれる。
社内のモバイルデバイスを一元的に管理するには、MDM(モバイルデバイス管理)やUEM(統合エンドポイント管理)のツールを使うとよい。MDMとUEMは、デバイスに利用のポリシーやガバナンスの設定を適用したり、セキュリティ対策機能を活用したりするのに使える。具体的には、以下の項目を中心に設定を管理するとよい。
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